「kitano」さんのページ

何やかんやめちゃくちゃ面白い。とりわけ黄金時代編はえげつない。描写一つ一つの拘りと引き換えに、嘗ての勢いや迫力を失った作。まだ十分面白いが、画にフォーカスを当てて論じると、細かい描写の執念は凄まじいが、連載を経て動きを捉える力が衰えているように思う。画作りとカット割りの溝というか、宮川一夫を撮影に据え、岡本喜八のカット繋ぎにおけるテンポ感が振るわなかった映画「座頭市と用心棒」のような、そんな相性の悪さ・ちぐはぐ感を思い起こす。もう少し、動きに拠った画作りをした方が、本作の本質的な荒々しさと勢いがマッチするように思う。まあ何はともあれ、無事終結することを願う。

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[投稿:2016-03-13 21:07:32] [修正:2016-03-13 22:14:04]