「nur_wer_die_sehnsucht」さんのページ

[ネタバレあり]

漫画の世界はともかく、人間って悪への魅力を感じているわけ。特に現代は自分勝手に生きたい人間ばかりだから、強い力を持って自分の思い通りに生きるアウトローが大好きなんだよ。
その魅力を追求したから、あの作品はいいんだよな。
『ヨルムンガンド』は、その点でちょっと引いていた。そういう世界を描きたかったんだろうけど、作者が迷っていたし、よく分かってなかったのかもしれない。しかし描き上げて掴んだんだよな。だから『デストロ246』では思い切りやってるよ。非常に面白い作品になっているよな。
私は『ブラックラグーン』の方が好きだけど、それはカッチョイイ台詞なんだよ。それは「狂気」をちゃんと描こうとしているから出て来るものなんだよな。
凄い台詞があった。
「ロック、見るな! 魂に傷がつく!!...」

張はいいなぁ。「トゥーハンド、おめぇは脇が甘いんだよ!」
でもあの銃は無いなぁ。あまりにも使いにくい。
私はやっぱりフライ・フェイスだな。全ての言動が一つの信念で貫かれている。善も悪も無い境地にいる。
あとはロベルタか。恩義の人間はどこでもいいなぁ。
あそこに行きたいなぁ。

まあ一応言っておくけど、あんなに一本通ったアウトローは現実にはいねぇし、ロックなんて絶対にありえないキャラだからな(笑)。作者自身も、既にロックの思考を持て余していると思うよ。煮え切らない、何をしたいのかさっぱり分からん人間になっているからなぁ。
初回エピソードは良かったんだよ。以降、段々とわけが分からなくなったよな(笑)。
つまり、逆ギレしてラグーン商会に入ったのはいい。最初のうちはおっかなビックリでいるのもいいんだ。

しかし、一丁前に作戦立案なんかし始めたから混乱してきたんだよ。他のキャラに比べて、元々何も持ってない男だから、それを打破したかったんだろうけどな。頭のいい男というキャラ設定にしたかったんだろう。
だけど、あのアウトローの世界で渡り歩く頭の良さというのは、冷酷非情でなければならないんだよ。しかしそうすれば、ロックのキャラは死ぬのな。そうじゃない、似非優しさというものがキャラだったんだから。でも、優しいだけだとあの世界では生きて行けないんだよ。
冷酷にも、惰弱にも出来ず、もうどうしようもないわからないキャラになったのな。そして多分それが原因で作者は不定期連載になったんじゃないのかな(笑)。
まあ、変なことを考えずに、情に流されるキャラのままにすれば良かったんだけどな。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-01-20 18:04:29] [修正:2019-01-20 18:04:29]