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7.77点(レビュー数:18人)

作者柏木ハルコ

巻数5巻 (完結)

連載誌ビッグコミックスピリッツ:2001年~ / 小学館

更新時刻 2009-11-25 06:33:35

あらすじ ある日、東京近郊に住む相浦くんは父親から家宝の刀の話を聞かされる。刀のことが気になった彼は、春休みを利用して父の故郷に旅立った。が、バスで居眠りしたおかげで"柤ヶ沢"なる集落で一泊するハメに。あくる朝、財布がないことに気づいた彼は帰るに帰れなくなってしまい…

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花園メリーゴーランドのレビュー

点数別:
11件~ 15件を表示/全18 件

9点 kenkenさん

「奔放で仲間意識が強い」という田舎のイメージを良くない方向に強化した集落演出は見事
物語の舞台はとにかく閉鎖的で息苦しい村なんですけど、それが作品のエロさに多大な貢献をしています
絵は一般的に言われる上手さは無いけど、雰囲気づくりとシチュエーション構成力が飛び抜けているので十二分に魅力的
なんかエロマンガの感想みたいになりましたが、ストーリーもしっかりしてます
ラストはしばらく余韻に浸れました。秀作です

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-07-24 14:29:08] [修正:2009-07-24 14:29:08] [このレビューのURL]

7点 bugbugさん

こういう日本古来の民俗学的性をテーマにした作品て
ものすごいエロスを感じます。御石神落としとかも
世間一般エロなのか、それとも私だけが感じるリビドーなのか、分かりませんけど

5巻というそれほど長くない巻数で
性のテーマあり、恋愛あり、サスペンスあり、パニックあり
いろんなものを詰め込んでいるにも関わらず
しっかりエンタメとしてまとまっているのは作者の技量でしょう

問題は絵柄でしょうね
私は太くてはっきりした線の作家さんは基本的に好きなんですが
こういう絵柄が苦手な方も多いかと思います

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-06-01 20:53:15] [修正:2009-06-09 13:26:18] [このレビューのURL]

8点 居酒屋さん

素晴らしい作品 アルゲマイネ原野さんの仰る通り
エンターテイメントを追求しながら作品を文学的な域にまで昇華させた、文句無しの傑作
非常に人間臭い 凄い

好き!ではないが8点

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-03-04 22:47:14] [修正:2009-03-04 22:47:14] [このレビューのURL]

7点 あんりさん

[ネタバレあり]

昔、村社会の性風習について研究をして異端になった民俗学者がいたという話をきいたことがある
うろ覚えだがその内容に夜這い制の存在や 初体験儀式、女性の共有等があったと思う
そのことをこの漫画で思い出した

はじめ期待と好奇でいっぱいだったのに
のめり込んでいくほどいろんなものがシボんでいった
異常なことも周りが普通といえば普通になる
そんな常識のズレがなんだか怖かった
しかし逆に 現代では、別に異常ではないものが異常となっているのかもしれない

閉鎖的だが開放的なこの村は少し魅力的だ

恋愛ものとしてもサスペンス?としても読める
なにより誘引力がすごかったわりに
終わり方がひっぱらずあっさりしているのが良い

しかし日常に戻った主人公がどのような性生活をおくったのかが気になったため
8点から1点減点

でもおもしろかった

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-01-04 22:48:34] [修正:2009-01-04 22:48:34] [このレビューのURL]

「古来日本人は同じ性を分け合っていた」
現代の感覚でいけばちょっと信じられないような話で始まる本作品。
金田一耕介の「八ツ墓村」モデルにもなった近代事件史に名を刻む津山三十人殺し事件など
多くの事件分析が行われているが背景の一因に犯人と複数の村の女性達との
夜這い関係があった事など
ちょっと裏を覗くと、文化の波及が都市部に比べ遅かった戦前の地方では
実は意外に身近にあったものであることがわかる

作品の中で特に光っていたのは村人達の描写。
嫌悪感すら与えるような外のもの(主人公)に対しての避け様と
いざ村の風習を受け、一度仲間意識を持った後のおおらかさのギャップ
そして更なる禁忌に触れたものへの集団的心理を思わせるかのような常軌を逸した行動…
日本のムラ社会的なじめっとした雰囲気をこれでもかと書き表しており
ただただ作品に引きずりこまれるかのように読んでしまった。

タブーに挑戦するかのような民俗学的アプローチのユニークさ、
少年少女の淡い青春とそれを飲み込む村の掟
コミックスの後書きにもあるように作中の小道具の使い方も実に上手い。
また、村での出来事を通した主人公の成長
後半からのジェットコースター感覚の予測のつかない物語運び
そしてエロスに次ぐエロス…

エンターテイメントを追求しながら作品を文学的な域にまで昇華させた、文句無しの傑作。
そして個人的に初めて民俗学、歴史の楽しさについて開拓させてくれたという意味で10点。

冒頭の津山三十人殺しについて
事件後、女性を「共有する」という村の習わしについて周囲の人間は口をそろえて否定し、
犯人一人の異常性にのみ槍玉に挙げたと言われています。
事実は小説より〜とはよく言ったものだと思う。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2008-12-01 21:35:23] [修正:2008-12-01 21:35:23] [このレビューのURL]

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