HELLSINGのレビュー
7点 即身仏さん
ヒラコーがエロ漫画家だった頃から続いていた(コヨーテ)流れの集大成ともいえる作品。アーカード達ヘルシング機関と少佐率いるミレニアム(ついでにバチカン)の血みどろの戦いは、流れこそ単純かつ大雑把だけど濃度がドロドロな位濃い。少佐の出撃前の「私は戦争が好きだ(略)」とかセラスと傭兵ベルナドットとの絆・ヘタレのペンウッド卿が見せた意地とかがキチガイじみた流れながらも燃える展開を加味していました。
この漫画の本質は人間賛美であり、アーカードみたいな化物じみた強さを持つ存在でさえも人こそ素晴しい存在だと認め、最後にヘルシング機関の長であるインテグラルが少佐を打ち倒した時も人を捨てた存在である少佐を否定・化物を打ち倒すのは常に人だ。という台詞が良かった。
本編とは関係ないけど、巻末の馬鹿兄弟(ヴァレンタイン兄弟)の漫画やや表紙を外して見れるカバー裏のおまけ漫画が地味に好きでした(笑)
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[投稿:2010-10-16 00:32:47] [修正:2010-10-16 00:32:47] [このレビューのURL]
7点 s-fateさん
吸血鬼とナチスと英国を混ぜると欧州の戦争の大義名分が結構網羅されて面白いものだなと思いました。終始どの陣営もハイテンションなのでアクションマンガとして一気読みするのもよし、少し考えて、化け物を倒すのは人間、化け物は化け物を倒せないとはどういう意味か?とか考えて読むのもいいと思います。確かに人はやたら死にますが、意外と想定内の表現なのであからさまな嫌悪感は感じません。ラストも作中の人死にの量と、わりに合わないほどスッキリしています。
個人的には、ナチスでバトルシーンがあるとやっぱり小林源文さんの影響が見えるなぁと思いました。気持ちはわかるので全然OKですけど。
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[投稿:2010-07-21 01:21:36] [修正:2010-07-21 01:21:36] [このレビューのURL]
8点 クロモフさん
アーカードかっこいいよぉぉぉ!!
これほど鬼畜なヴァンパイアを私は観たことがありません。
血がしたたるぅ、血が吹き出るぅぅ!
このヘルシングは魅力的な一枚絵が多く、その大半がベタ塗りです。
この『黒の世界』は芸術です!
漫画だからいいものの、こんなことがリアルに行われていたら嫌です。メッチャ嫌です。
セラスが好きです。シリアスな場面をぶち壊す彼女はとても大事です。
おっぱい最高。
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[投稿:2010-03-19 13:02:03] [修正:2010-03-19 13:02:03] [このレビューのURL]
7点 ショーンさん
とにかく狂ってる、狂いまくってる漫画。
戦争大好き男、殺し合い大好き男。いっぱい出ます。
読んで見れば分かる!この狂気、まさに圧倒的。
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[投稿:2010-01-30 06:52:36] [修正:2010-03-27 09:27:21] [このレビューのURL]
10点 カレーさん
20世紀末のヨーロッパを舞台にした吸血鬼ガンアクション。
狂気という言葉がふさわしいような作品。
世界史好きやブラムストーカーの「ドラキュラ」を読んでいるとなお楽しめるであろう。
以下ネタばれ含む。
まず吸血鬼を人間が利用するという図がたまらない。
「吸血鬼=悪、人間に害をなすもの」
→「正義たる主人公が人類のために勧善懲悪する」
というイメージが完璧に崩壊している。
そう恐ろしいのは人間の欲である。
劇中では「人間」、「狗」、「化物」という言葉が対比的要素として用いられる。
「狗」とは自分で考えることをせず、他者に従い行動するものであろう。「化物」は人間であることに耐えられなかった弱い者。
つまり「人間」とは自らの弱さを受け入れながら、自律し自分の意志で行動する者のことを指すのではないだろうか。
それゆえの「化物を倒すのはいつだって人間だ」なのであろう。
また吸血に関する考察が印象的であった。
「他者との命の共合 生命の融合 精神の統合 吸血鬼の本質」
(9巻、少佐の台詞より)
この漫画の世界では吸血鬼の繁殖は処女と童貞が血液を吸われた時に起こるらしいが、私は初読時なぜ処女と童貞に限定されるのか理解できなかった。
しかし吸血の本質が他者との融合であるという説明で納得することができた。
吸血にはエロスがある。
それも他者との融合に関わるのだろう。
英国教会とローマカトリック、ナチスのみつどもえの戦争。
ナチスが第一次大戦を彷彿させるように飛行船でイギリスに攻撃を仕掛けるシーン。
ドラキュラ伝説の串刺し公を連想させるようなシーン。
非常に満足。
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[投稿:2010-01-16 17:28:42] [修正:2010-01-16 17:28:42] [このレビューのURL]
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