雪の峠・剣の舞のレビュー
8点 ITSUKIさん
「雪の峠」「剣の舞」どちらも面白かったですが、個人的には「雪の峠」の方が好きです。
佐竹氏の殿に若い家臣を信頼する様になりだし、高齢の家臣達がそれに危機感を覚え、築城の場所をめぐって争うといた内容で、刀の出てこない権力闘争的な内容であり、思わず息をのんでしまいました。
争いの決着のつき方が見事としかいいようがありませんでした。
やはり岩明均先生は表情が良いですね。この作品でいえば、背景や服装も比較的丁寧に描かれていてその点も良かったです。
「剣の舞」は侍によって犯され、家族を皆殺しにされた少女・ハルナの復讐のストーリーなのですが、
疋田文五郎と出会い、剣術指南を受ける中で成長していきます。
同時に、淡い恋心も描かれますが、最終的に伝えられたことは「戦の人に与えた傷跡」の様なモノではないでしょうか。
雪の峠と比べるとすっきりする結末でなかったのですが、作者の構成力は流石でした。
どちらも満足できた面白い作品だと思います、お薦めです。
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[投稿:2010-02-28 23:38:24] [修正:2010-02-28 23:38:24] [このレビューのURL]
8点 red-eyesさん
かなりの良作。
短編『雪の峠』『剣の舞』2作品を収録。一応、歴史物。史実を大胆に改変している模様。
1.雪の峠
”戦”って何だろう、と考えさせられる作品。そういった意味では、現代にも通じる。
時は、関が原の合戦後。佐竹家の都の決定につき、渋井内膳と梶原美濃守が攻防する、というお話。
構成が秀逸。つい、一コマ一コマに意味があると思って読んでしまう。
読後感としては、かなりのスッキリ。だが、このスッキリにだまされてはいけない、のではないか。『戦』って何だろうって考えさせられる作品。
2.剣の舞
『無常』を楽しめる作品。
時は戦国。農民の娘ハルナは、戦争に巻き込まれ、侍に連れ去られ犯され、家族を皆殺しにされる。その後、疋田文五郎に弟子入りし、侍に復讐する、というストーリー。
ミクロな見方としては、ハルナの成長、ほろ苦い恋愛、復讐、という1人の人生を楽しめる
マクロな見方としては、戦とは何か、時代の流れとは何か、そもそも人生ってなんなんだ、という点について考えてしまう作品。
岩明作品らしく、構成はかなり入念に練られていて、一コマ一コマ良く練って描かれている。 良いキャラを作るというより、舞台の中に人を配置していくことによって構成していくという、この作者の手法を十分に楽しめる。
3.まとめ
どちらも、かなりの良作です。短いからすぐ読めるし、買っても1巻なので、興味があれば読んでみてはいかがでしょう。
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[投稿:2009-12-06 23:38:01] [修正:2009-12-06 23:38:01] [このレビューのURL]
8点 薫海宏幸さん
短編かつ歴史の実話でここまで話を練ることができるとはさすがとしか言いようがありません。現在はヒストリエを書いていますが、それと比べても全く見劣りしない作品です。
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[投稿:2009-10-13 07:52:40] [修正:2009-10-13 07:52:40] [このレビューのURL]
8点 HERONさん
雪の峠は、何回も読み返す程にジワジワと面白みが伝わってくるスルメ作品。流石、岩明先生。隙が無い出来です。
剣の舞は、良くも悪くも普通だったなぁ……
7点雪の峠。1点剣の舞くらいの振り分けです(汗)
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[投稿:2009-07-22 18:36:21] [修正:2009-07-22 18:36:21] [このレビューのURL]
7点 Sealさん
2編の短編漫画からなる本作は日本史好きにはたまらない漫画だろう。
両編とも実在した武将や剣豪が多く登場する。
どちらかというと自分は「雪の峠」の方を推したい。
これは実際の事件に基づいているのだろうが、人物設定や心理描写が細やかで非常にエンターテイメント性が高い。
秋田県民は機会があれば是非ご一読下さい。
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[投稿:2008-11-10 18:23:52] [修正:2008-11-10 18:23:52] [このレビューのURL]
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