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7.28点(レビュー数:38人)

作者弐瓶勉

巻数10巻 (完結)

連載誌月刊アフタヌーン:1997年~ / 講談社

更新時刻 2012-01-28 19:34:03

あらすじ 探索者、霧亥がネット端末遺伝子を持つものを探しながらダンジョンを廻る。重力子放射線射出装置を操り統治局、ケイ素生物駆除系などを撃退する

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この漫画のレビュー

9点 雫結晶さん

硬派SF漫画家である弐瓶勉氏のデビュー作。
この漫画、特筆すべき点は二点。

一つはセリフの圧倒的な少なさ。全十巻のセリフを全て寄せ集めても、普通の漫画一冊分にしかならないであろう少なさ。
あまりに少なすぎて、ただ字面を追って読んでいるだけでは物語の全容はほとんど把握できない。
主人公が黙々と進み続ける目的が何なのか、結局のところどういう結末を迎えたのかということさえ良く分からない。
しかし、二度三度と読み返し、コマの隅々にまで目をむけ、想像力を総動員させていると、しだいにBLAME!の世界の形がつかめてくる。読むたびに新たな発見がある。
そして、知らず知らずのうちに得体の知れない世界観にどっぷりとはまり込んで抜け出せなくなっているのだ。
このストイックなまでの言葉による描写の放棄は、読者の想像欲を喚起させる。

二つ目は、構造物の描写の巧さ。
建築関係出身だというだけあって、弐瓶氏の書く建造物は、まさに圧倒的質量をもって読者に迫ってくる。
超巨大構造物と、そこに居るちっぽけな人間の対比。
これが、単純に絵画として見ても面白いと同時に、BLAME!の世界観を成す重要な要素の一つともなっている。

この二つ以外にも、「重力子放射線射出装置」や「メガストラクチャー」などSF好きをくすぐる固有名詞の数々も魅力だ。
SF好きには間違いなくお勧めできるし、そうでない人にも一度読んでみて欲しい。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-01-23 02:45:03] [修正:2011-01-23 02:45:03]

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