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5.88点(レビュー数:9人)

作者吾峠呼世晴

巻数23巻 (完結)

連載誌週刊少年ジャンプ:2016年~ / 集英社

更新時刻 2016-06-06 01:29:07

あらすじ 時は大正時代。炭を売る心優しき少年・炭治郎の日常は、家族を鬼に皆殺しにされたことで一変する。唯一生き残ったものの、鬼に変貌した妹・禰豆子を元に戻すため、また家族を殺した鬼を討つため、炭治郎と禰豆子は旅立つ!! 血風剣戟冒険譚、開幕!!

備考 ・テレビアニメ化(2019.4)・特別上映版「鬼滅の刃 兄妹の絆」(2019.3)・劇場版「鬼滅の刃 無限列車編」公開(2020.10)・1巻からの累計発行部数は1億2千万部を突破(2020.12)

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この漫画のレビュー

7点 チーズカバオさん

[ネタバレあり]

漫画史に残るような爆発的ヒットとなった本作だが、それも納得してしまう程に、近年のジャンプ作品には無い魅力がこの作品には凝縮されている。


評価点としてよく挙がるのは、殆ど引き伸ばさずに面白さを維持したまま完結した圧倒的勢いだ。これは確かに、近年のジャンプ漫画のヒット作としては異例である。

恐らくこの作者は、物語のプロットは早い段階で決めていて、概ねそれに沿って最後まで駆け抜けることが出来たのだろう。
だからこそ、味方の実力者や敵の幹部を出し惜しみなく登場・退場させることで、クライマックスを連続させるという、物語作りにおいて究極の手法を実行できた。
これは作者が自らの力量を把握した上で、作者や編集等が欲をかかずに着地点を見極めることが絶対条件であり、これを満たせる漫画はごく稀だと言える。
特に本作のようなメガヒット作品でこれを成せたのだから、作者もジャンプ編集部も見事だとしか言いようがない。


だが、これほど幅広い層が本作にハマっている理由は、もっと根源的なところにあると思う。
それは、読者が本能的にアクション漫画に求める「バイオレンス表現」の要素と、それと相反する「愛」の要素が、極めて効果的に描かれているという点である。

まず「バイオレンス表現」についてだが、
近年の少年漫画においての暴力表現はマイルドだったり、スタイリッシュだったりすることが多く、いまいち緊張感を引き出せていない作品が多いように感じる。
もちろん、それが必ずしも悪いとは思わないが、少なくとも昔の名作アクション漫画にはそれなりの暴力表現は切り離せないものであり、それにより生まれるゾクゾク感というのは結構大事なものだったと思う。
かと言って、進撃の巨人みたいにバイオレンス描写に振り切った作品造りは、読者にとってのハードルを上げかねない。
その点で言えば、鬼滅の刃のバイオレンス描写は、古き良き名作群に近いバランスを持っているように思える。
重症を負った者は戦力が低下し、四肢を欠損したものは戦線を離脱し、致命傷を負った者は死ぬ。
こういった当たり前のバイオレンス要素が作品に程よい緊張感やゾクゾク感を与え、直感的に読者の心を掴んでいるように思える。

次に「愛」の要素である。
はっきり言って、これこそが鬼滅の刃最大の魅力ではないだろうか。
読めば誰しも分かることだが、本作の物語は人間愛に基づいている。
そして更に言うならば、「家族愛」を偏執的に、これでもかというほど描きまくっている。その執拗さは常軌を逸していると言っても過言ではないが、だらこそ他の追随を許さない唯一無二の魅力となっている。
それにより、人間であれば誰しもが持つ感覚や感情をダイレクトに刺激してくるため、子どもから大人まで多くの読者が魅せられてしまう。
ジョジョが人間讃歌を謳ったように人間愛をテーマにしている名作少年漫画は過去にも多々あるが、本作ほどド直球で終始それに徹した作品は過去に類を見ないだろう。

総括すると、暴力と愛という、一見では二律背反の要素を物語にガンガンぶち込んで本能を揺さぶってくるのが、鬼滅の刃の魅力であると考える。


長々とレビューを書いたが、社会現象を起こした事もうなずけてしまう、とても良い作品だと思う。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2020-09-01 14:04:50] [修正:2020-09-10 11:45:46]

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