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7.5点(レビュー数:8人)

作者高橋留美子

巻数3巻 (未完終了)

連載誌週刊少年サンデー:1984年~ / 小学館

更新時刻 2012-08-21 12:43:35

あらすじ 現代より500年近く前。漁師の湧太は仲間と共に浜に流れ着いた人魚の肉を面白半分に食べてしまう。すると仲間は次々に死んでいき、湧太だけが生き残り不老不死の体を手に入れる。永遠の『生』が、人と交われぬ永遠の孤独をその身に背負う。元の人間に戻るには、人魚に会う事と聞かされ湧太は人魚を探すあての無い旅を続ける事になる。
 

備考 「るーみっくわーるど すぺしゃる」として「人魚の森」「人魚の傷」の2冊を出版するも、3巻目の「夜叉の瞳」の発売に合わせて「人魚シリーズ」とタイトルを改めコミックサイズで「人魚の森」「人魚の傷」「夜叉の瞳」を出版。
シリーズの総称を踏襲して漫画タイトルを「人魚シリーズ」とします。
1989年に第20回星雲賞コミック部門を受賞。後にOVA、テレビアニメ、小説、ラジオドラマ化された。
 

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この漫画のレビュー

8点 とろっちさん

「ラブコメの女王」が描き出したのは、醜悪な人魚と、その人魚の肉を巡るさらに醜悪な人間の本性。

人魚の肉にまつわる不老不死伝説と、それに関わる人々の悲喜を見事に描いた作品。
悲喜というのは違うかもしれませんね。 「喜」は無く、「悲」ばかりが繰り広げられます。
不老不死という壮大なテーマを扱いながらも、敢えて一話ごとの世界観を狭い範囲に絞ることで
却ってその登場人物の人間関係が浮き彫りになり、濃厚なドラマが展開されています。

絵的には、後の犬夜叉に通じる化物の造詣の巧みさ、和服姿のたおやかさが素晴らしいのはもちろん、
この作者は子供や老人を描くのが本当に上手く、伝奇ものとしての雰囲気が秀逸です。
そして何より、女性の艶かしさ。 これが描けるからこそ人魚伝説が描けると言っても過言ではないです。

この作者は一話完結の日常コメディを描けば並ぶ者のない程の名手だと思いますが、
こういうギャグを一切はさまないシリアスな短編も見事なのは流石と言うしかないですね。
特に、怨恨、復讐、無念さ、そしてオチのどんでん返しまで描ききった「人魚の森」は抜群の出来。

他のレビュワーの方と同じく、ぜひ続きが読みたい作品。
犬夜叉が終わった時は続編が来るかと期待してましたが、残念。
この作品は少年誌より青年誌の方が良さが発揮できそうな気がします。 続きがあれば、ですが。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-08-30 01:07:37] [修正:2011-08-30 01:08:47]

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