ホーム > 青年漫画 > ビッグコミックオリジナル > イリヤッド 入矢堂見聞録

6点(レビュー数:6人)

作者魚戸おさむ

原作東周斎雅楽

巻数15巻 (完結)

連載誌ビッグコミックオリジナル:2002年~ / 小学館

更新時刻 2009-11-25 00:44:34

あらすじ 東京・団子坂にある古道具屋「入矢堂」を、親子連れの客が訪れる。父親は、ムー大陸を研究したチャーチワードの著書に興味を示すが、店主の入矢修造は、チャーチワードを詐欺師呼ばわりし、代わりにトロヤ遺跡を発見したシュリーマンの本を勧める。そのころ、所変わってウィーンでは、世界有数の資産家を集めた極秘の会合が開かれていた……

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この漫画のレビュー

7点 kamekameさん

アトランティスの伝説を真直ぐに掘り下げていく様に好感が持てる作品。
史実以外にも、巧みにオリジナル創作の出展などを絡め
考古学的な気分を存分に盛り上げてくれるので、そういった作品が好きな方にはオススメ。

東周斎雅楽原作、魚戸おさむ作画というコンビは安心感があって良いのだが、
このベテラン二人の作品にしては後半のまとまり感は薄い。
原作の長崎尚志(東周斎雅楽)は本気でライフワークとして
アトランティスを追っているのではないかと邪推してしまうほど作者の思いが強く
読み手への配慮が緩い(緩いとは言っても稚拙と言うことはない)エンディングだ。
ある意味、20世紀少年のプロット共同制作者とは思えない。
己の中に溜込んだアトランティスへの思いを、吐き出しているようでもあるが、
決して不快でなく熱さを感じるだろう。

あえて欠点を書けば
人物、さらに言うならば人物同士の関係が作中でもっとダイナミックに動いていけば
誰が呼んでも楽しめる作品になったのではなかろうか。


余談だが、
2007年の連載完了時に作中でアトランティスのあった場所として結論づけられた場所が
2011年3月にコネチカット州ハートフォード大学のリチャード・フルンド教授が率いる
国際調査チームが発表した比定地と同じだった。
真偽の程はともかく、ロイターの和訳記事があるので興味ある方は
作品を読んだ後に『海底に沈んだとされる古代都市「アトランティス」を発見か』で
検索してみて下さい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-05-12 01:18:21] [修正:2011-05-12 01:20:26]

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