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5.16点(レビュー数:6人)

作者雷句誠

巻数14巻 (完結)

連載誌別冊少年マガジン:2009年~ / 講談社

更新時刻 2010-03-17 17:01:18

あらすじ 動物しかいない国「どうぶつの国」に暮らすタヌキのモノコ。両親を大山猫に食べられ一人ぼっちになってしまったモノコはある日、見たことない動物…人間の赤ちゃんを拾う! 小さな出会いが世界を変える、奇跡のアニマルファンタジー開幕!!

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この漫画のレビュー

6点 bkさん

すべての動物と会話できる能力を持つ主人公タロウザが、動物たちと意思疎通をし、
仲間を作り、団結し、弱肉強食という動物世界のルールに立ち向かうというストーリー。

「自然の摂理を変えようとするのに無理がある」「登場人物が泣けば感動できるわけじゃない」
「前作のガッシュの方が面白かった」などの否定的な意見をネット上でしばしば見かける。
確かに現実的な舞台設定で本作品のようなストーリー展開にすれば、
人間の価値観の押しつけが鼻についてしまう、という意見は理解できる。

ただ、この漫画の舞台設定は本物の現実の動物とは少し違う、
『人間のような感情を持った動物』のいる世界の話であり、
そこのところを視点を変えて読んだ方が楽しく読めるのではないだろうか。
各動物が服を着ていたり、装飾品をまとっていたりするのも、
そういう世界設定を強調する良いポイントになっていると思うのだが。

また、最近のエピソードでは、世界設定がだんだん明らかにされてきて、
(ここからネタバレ)
その中でも、脳に刺激が与えられることで、
動物も新しい価値観や概念を覚えていけるという設定が明らかにされたことで
この作品の動物たちは、現実の動物とは一線を画しているのだと
(あるいは、現在より未来の世界なので、動物も進化した(?)のだと)、
より違和感なく読めるようになったと思う。

そして、単なる動物ではない、人間と同じ感情のある動物たちが、
タロウザとともに成長し、新しい価値観を持ち、
文化を発展させていくという、成長を感じられるエピソードが随所に織り込まれており、
それがとても心地よい。
すべての動物が仲良くすることとは、
言うなれば漫画内のジュウの言葉を借りれば『世界にウソを持ちこむ』ことともいえる。
しかし言いかえればそれは『新しい概念』でもあり、
それを受け入れて変わって行ける可能性を模索するという展開は面白い。

少年漫画的な、いかにもな劇的展開や不思議パワーもあるにはある。キャラもよく泣く。
ただ、それがウザい熱さとは思えない。
というのは、タロウザ自身が仲間のことを思いやり、
いつも必死で考え、苦心しているからだろうと思う。
他人任せではなく、どんなときも自分のできる範囲で考えに考えているからこそ、
動物たちがタロウザについて行くのも納得できる。

人間のキャラクターが少ない、絵が美麗とはいえない(むしろコミカル)、
序盤がタロウザの赤ん坊編、などの点もあり、ややとっつきにくいかもしれない。
しかし個人的にはガッシュよりも練られた設定、
ストーリーであると思うし、今後の展開もかなり期待している。

追記:
青年時代編になってから、どうもストーリーが進んでないように思える。
毎回戦闘になるのはともかく、もう少し展開に起伏をもたせないとダレるような。
多少点数を減らします。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-09-16 20:22:51] [修正:2012-06-08 23:13:56]

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