あらすじ
伊藤開司は、日々ブラブラとした生活を続けてきた。
しかし、ある日彼の家に一人の男、遠藤が訪れる。
カイジは、昔バイトで一緒になった古畑の借金の保証人になっていた。だが古畑は失踪。遠藤はその借金を取り立てに来たのである。
当時30万だった借金は、莫大な金利のため、1年あまりの期間で385万にまで膨れ上がっていた。月6万円の返済で11年の借金である。とうてい返せる訳が無い。
だが遠藤はカイジに一つの話を持ちかける。
10年はかかる借金が一晩で返せる話である。
カイジは「ギャンブル船・エスポワール」への
乗船を決意したのだが・・・。
備考
第22回講談社漫画賞受賞。続編に「賭博破戒録カイジ」と「賭博堕天録カイジ」がある。
2007年TVアニメ化。また2009年藤原竜也主演により実写映画化された。
この漫画のレビュー
9点 shunさん
オリジナルルールのゲームで物語を構築し、主人公がルールの特性に気付き、
システムの穴を突きクリアするという、多くの漫画で見られる流れを作った作品と言える。
特に素晴らしいのは、心の葛藤をドラマチックに描くことで、動きのないシーンを大胆に見せているところ。
心理戦がより白熱して感じられ、緊迫感が増していく。
ショッキングなフレーズで登場人物の動揺を誘うが、読者もそのフレーズに打ちのめされる。
よくある登場人物に大ゴマ大声で言わせて押し通す展開とは全く違い、淡々と語られる
不思議と胸に突き刺さるワードセンスは抜群。説教臭くも感じなかった。
ゲーム自体は一見大したことないようにも感じるが、そのゲームに奥深さを与えるルールづくりや、
それを突破する展開づくりには圧倒させられた。
画もコマ割りも致命的に苦手だが、自分が描ける範囲内で最大限の努力を感じる。
綺麗ではないが気持ちは入っているため、ストーリーの深刻さで読み進めることができる。
麻雀やカジノを扱うギャンブル漫画はこれまであったが、オリジナルでここまで引きこまれた作品は初めて。
画で敬遠するにはもったいない作品。一つのジャンルを作ったような、ムーブメントを作ったような印象を受けた。
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[投稿:2014-08-07 14:01:58] [修正:2014-08-07 14:01:58]