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5.85点(レビュー数:105人)

作者浦沢直樹

巻数22巻 (完結)

連載誌ビッグコミックスピリッツ:1999年~ / 小学館

更新時刻 2012-11-05 16:40:46

あらすじ ケンヂ、オッチョ、ヨシツネ、マルオ、モンちゃん、ドンキー、ケロヨン、が少年時代に遊びで作った世紀末預言書「よげんのしょ」の内容が、成長した彼らに現実となって襲いかかる。ケンジは地球を救うため立ち上がり、数々の謎を解明していく。そして、謎のカリスマ”ともだち”の正体とは?

備考 『21世紀少年』に続く。

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この漫画のレビュー

8点 やじウマさん

 5巻までは最高におもしろい。
 現実が子供時代の馬鹿げた妄想(ロボット、秘密基地、ハットリくんのお面)に浸食されていく様子が、奇跡的なバランスを持って描かれていく。

 だが未来の話になってからそのバランスが少しづつ崩れていく。
 刑務所を脱獄するところなど瞬間瞬間では最高におもしろいのだがどうにも乗れない。
 この原因はなんだろうと考えたが、やはりケンヂの不在が原因だろう。
 五巻までは、作品の裏テーマとして「バンドをやめてアイデンティティをなくしたケンヂが子供時代の自分が生み出した妄想とケリをつけるために立ち上がり、段々と生きる気力を見つけ直す」みたいなものが一応あり、だからおもしろかったとも言えた。
 胡散臭い設定にリアリティを持たせることに成功していたのだ。
 だがそれが未来の話になるとケンヂが退場するわけでそれがなくなる。
 後任のカンナは不思議な能力があったり不幸な生い立ちがあるのだけれど、キャラとしてはいまいち何してたか思い出せないくらいに薄い。(書いてて気づいたけどモンスターのニナと一緒だ。)
 この辺りから伏線の過剰な盛り込みが始まって次第に収拾つかなくなるが、それには主人公の魅力で話を引っ張れなくなったということへの苦肉の策もあったんじゃないだろうか。
 通してみると「1970年の嘘」も「カツマタくん」も大して意味がなかったし。
 リアルタイムで読んでたときはまるで漫画界のトップに輝いていたようなこの作品が実はそういうことで頭を悩ませていたと考えると少し微笑ましい。
 まあ、あまり自信はない。

 結局終盤でケンヂは帰ってくるんだけれどもその頃にはもう話の核は「ともだち当てゲーム」になり、失われたアイデンティティなんてものはどこか遠くへ消えてしまっていた。
結局、最後に漫画は「オトナ帝国の逆襲」のパクリみたいな世界設定の中、死んだ人間が辻褄合わせのために何の説明もなく生き返るという男塾のような展開を見せ、最初の緊迫感などどこにもないゆるい道徳観のエピローグを展開させて終わる。
 
 でもさ、今じゃこういうそれっぽい分析してるけど中学生の頃リアルで読んでた時は本当にすごかったんですよ・・・ 
 新刊がでると朝日新聞のテレビ欄の下全部使った広告出たり、帯に「応募者に浦沢直樹のプライベートライブご招待!」なんていうふざけた事載ってても「すげええ」とか思った。
 15巻のラストなんて初め読んだときは死ぬかと思うくらい興奮したし(ここから地獄だったのに)次巻が3ヶ月後の発売なんて知ってまた「くそおおおお」とか思って・・・
 だから低評価つけるのは当然だけどさすがに1点、2点とかついてるのとか「クソだ」「騙された」とか見ると少し凹む。
 まるで昔好きだった野球選手がボロボロになってるのを見て「昔すごかったとか言うけど昔もたいしたことなかったんじゃないの」とかしたり顔で言ってるガキを見てむなしくなるかのような・・・はぁ・・・

ナイスレビュー: 3

[投稿:2012-10-21 20:51:05] [修正:2016-09-27 22:45:17]

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