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7.6点(レビュー数:5人)

作者乃木坂太郎

巻数9巻 (完結)

連載誌ビッグコミックスペリオール:2011年~ / 小学館

更新時刻 2011-12-03 00:14:19

あらすじ 犯人は、幽霊なのか、人なのか……時は昭和29年、舞台は神戸。ニートの天野は、幽霊塔と呼ばれる時計塔で、白い何者かに襲われ死の寸前、謎の美青年・テツオに救われる。テツオは曰く「幽霊塔の財宝探しを手伝えば、金も名誉も手に入る」。しかしテツオの正体は、男を装う女であり、その名も偽名であった……

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この漫画のレビュー

8点 s-fateさん

 江戸川乱歩の大人向け猟奇倒錯小説が好きな人にはストライクだと思います。さらに罠いっぱいの塔の中に財宝が、なんて設定も付いてくるのでなおさら。時代も昭和二十年代後半と微妙に近代化が進んでいない時期を設定していますので、隔離された島、村の忌むべき因習とかそういったものも織り込んできたりします。
 しかしなんといってもこの作品の中では性的倒錯が異彩を放ってると思います。男装の麗人だけど実は当時では社会的認知が進んでなかったであろう性同一障害に悩まされるテツオ、敏腕検事として圧倒的権力を持つ丸部の一言では言えない特に妹への嗜好。ついでに流されて女装した結果やや覚醒しつつある天野、ガチショタ刑事山科など、主なところだけピックアップしてもお腹いっぱいです。
 また、晩年の江戸川乱歩を彷彿とさせる土蔵で執筆する小説家が出てきたり、妹を深窓の令嬢に育て上げて、普通の生活には耐えきれなくして見えない鎖でさらに縛り付ける丸部の闇の深さの演出など、小技があちこちで効いているところもこの作品を重層的に面白いものにしていると思います。
 今後が楽しみです。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2013-11-04 01:23:22] [修正:2013-11-04 01:23:22]

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