あらすじ
「ぼくのすんでいるところは 山と海しかないしずかな町で―はしに行くとどんどん貧乏になる。そのいちばんはしっこが ぼくの家だ―」。
腹違いの兄、一太。突然現れた、美しくてやさしい年の離れた姉、神子(かのこ)。そして「ぼく」、二太。
クスリを売る。体を売る。金を貸す。とりたてる。この町の多くの大人たちは、そんなふうにして生きている。
神子ねえちゃんは言う。「泣いたらハラがふくれるかあ。泣いてるヒマがあったら、笑ええ!!」。ヤク中の父を亡くしたばかりの少女は、うまく泣くことさえできずに、不思議そうにこう言う。「息するたびにな、ノドの奥に小石みたいのがたまるんよ。食い物の味わからへん」。むき出しの現実を見ながら、幼い心にいくつもの決意を刻んで「ぼく」は成長していく。
この漫画のレビュー
8点 ちょうあんさん
話題になっているようなので読んでみました
登場人物達のやってる事は犯罪で
被害者の側を考えると、利己的な登場人物達に
対して批判的に感じたりする
そうせざるをえない環境の人達
いや、環境が人を作るともいえる (だからこそのラストの別れ)
作者の意図が、幸せの基準は貧しさとか豊かさではない…的
な事にとどまればチープな作品となるが、そこにとどまらず
利己的である事自体、人間として自然 本来的な欲求である事
までツッコんでいるので高評価としました
また体裁を根こそぎ削ぎ落とされた登場人物から
発せられる言動は、おそらくそうであろうと
納得のいくものばかりだった
「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」
親鸞の悪人正機説とダブって読める
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2008-08-08 07:33:55] [修正:2008-08-08 07:33:55]