あらすじ
「ぼくのすんでいるところは 山と海しかないしずかな町で―はしに行くとどんどん貧乏になる。そのいちばんはしっこが ぼくの家だ―」。
腹違いの兄、一太。突然現れた、美しくてやさしい年の離れた姉、神子(かのこ)。そして「ぼく」、二太。
クスリを売る。体を売る。金を貸す。とりたてる。この町の多くの大人たちは、そんなふうにして生きている。
神子ねえちゃんは言う。「泣いたらハラがふくれるかあ。泣いてるヒマがあったら、笑ええ!!」。ヤク中の父を亡くしたばかりの少女は、うまく泣くことさえできずに、不思議そうにこう言う。「息するたびにな、ノドの奥に小石みたいのがたまるんよ。食い物の味わからへん」。むき出しの現実を見ながら、幼い心にいくつもの決意を刻んで「ぼく」は成長していく。
この漫画のレビュー
10点 まねきんさん
名作
すべてを笑い飛ばす明るさと、悲しみを受け入れながら生きる前向きさ。
この内容がシリアスだったらこの説得力と深みは出なかったでしょうね。そしてこの点数もありえません。
なにげなく彼らの瞳をじっと見つめていると、今まで可愛いと感じていた絵が突然恐ろしくなった。
以前マンガ夜話で夏目さんも仰ってましたが、このマンガのキャラたちの瞳は「虚無」です。
あ、モノクロ版もお手軽でいいですけど、カラー版で読むとなお良しですよ。
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[投稿:2006-09-16 12:08:25] [修正:2006-09-20 01:29:17]