あらすじ
「ぼくのすんでいるところは 山と海しかないしずかな町で―はしに行くとどんどん貧乏になる。そのいちばんはしっこが ぼくの家だ―」。
腹違いの兄、一太。突然現れた、美しくてやさしい年の離れた姉、神子(かのこ)。そして「ぼく」、二太。
クスリを売る。体を売る。金を貸す。とりたてる。この町の多くの大人たちは、そんなふうにして生きている。
神子ねえちゃんは言う。「泣いたらハラがふくれるかあ。泣いてるヒマがあったら、笑ええ!!」。ヤク中の父を亡くしたばかりの少女は、うまく泣くことさえできずに、不思議そうにこう言う。「息するたびにな、ノドの奥に小石みたいのがたまるんよ。食い物の味わからへん」。むき出しの現実を見ながら、幼い心にいくつもの決意を刻んで「ぼく」は成長していく。
この漫画のレビュー
10点 すあまさん
なんやらここのサイトの上位にランキングされとる未読の漫画が
あるのう、と思い興味本位で買ってみました。表紙の絵をみたと
き、内容重視派のオレでも、うーん、ギリギリアリかな?とやや
心配になった。これで糞だったら金返せよなーとブツクサいいな
がら読み始めること約一時間半。
そこにはやさしさと心にしみる言葉に満ち溢れていた。貧しくて
最低な世界でも明るく精一杯生きる姿がそこにあり、不覚にも初
めて漫画で泣いてしまった。日をおいて読んでみてもまた号泣。
絵がちょっとなー、とか言ってた自分を抹殺してしまいたい。こ
こにでてくる言葉はこの先生きていく中できっと大きな位置を占
めると思う。一度手にとって見てはどうでしょうか。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2006-12-20 17:43:55] [修正:2006-12-20 17:43:55]