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7.5点(レビュー数:2人)

作者大西巷一

巻数12巻 (完結)

連載誌月刊アクション:2013年~ / 双葉社

更新時刻 2014-09-06 14:45:12

あらすじ 1420年、ボヘミア王国。戦争により家族を虐殺された12歳の少女シャールカは、フス派義勇軍の英雄ヤン・ジシュカに導かれ、仲間たちと共に反カトリックの戦いに身を投じていく。

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乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカのレビュー

点数別:
1件~ 2件を表示/全2 件

8点 臼井健士さん

[ネタバレあり]

日本では馴染みの薄い「フス戦争」を題材にした物語が遂に完結しました。
シャールカたちの戦争継続反対の声も掻き消され、遂に最後の戦いに赴く面々ですが形勢不利は明らか。
事前に降伏を勧められても拒否し、滅亡への道を進み続ける。
シャールカもそんな仲間たちに殉じて共に戦い玉砕しようとしますが・・・・・。

長きに渡ったフス戦争も集結し、新しい流れが起きます。
但し、それは「和平への道」ではなく、新しい勢力による新たな争いの道と言った方が正しいでしょう。
シャールカと共に長きに渡って戦ってきた仲間たちも命を落とし、生存できた人間は片手で数えるほどしかいません。
結局、「ヤン・ジェシカ」が掲げていた大義は実現できなかったのでしょうか?
九死に一生を得て戦場を脱出したシャールカはヨハンの元に残してきた愛娘・クラーラと十数年ぶりに再会を果たし、物語の幕は引かれます。
思えば物語の開始早々に家族を皆殺しにされ、強姦され、悲しみの淵に沈む暇さえなく戦いに身を投じねばならなかった少女・シャールカ。
多くの悲劇を乗り越え経験した果てにようやく離れ離れだった娘と再会できるのはせめてもの慰めでしょう。
そもそも漫画作品で主人公が妊娠・出産を経験する作品は一部のレディース向け作品を除いて「まず有り得ない」ことであり、大河ドラマのラストシーンとしても極めて異色である本作です。
娘・クラーラは少女時代のシャールカによく似た美しい少女に成長しました。
父親のヨハンの伝手でクラーラが貴族と結婚出来れば、シャールカが孫をその手に抱くことも叶いそうです。
最終巻の年齢はシャールカ30歳、ヨハン31歳、クラーラ15歳。
当時は平均寿命が短く、20歳まで生きた人でも45歳くらいが平均寿命になります。
シャールカもこれからは壮年を経て晩年に至るのでしょうが、家族と共にどうか平穏な後半生を送って欲しい、
そんなことを願わずにはいられない物語の帰結でありました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2019-06-12 17:05:14] [修正:2019-06-12 17:05:14] [このレビューのURL]

7点 s-fateさん

[ネタバレあり]

 まず少女が蹂躙されるところから始まるので、ここで抵抗のある人は避けたほうが良いです。その先も重要キャラが容易く死ぬし、都合良く主人公側が勝つような単純なバトルものでもありません。
 その辺がクリアできれば所々に注釈ページの入るタイプのマンガで「フス戦争」という珍しい題材に引き込まれて知識欲が満たされるのではないかと思います。
 個人的には単純に宗教と鉄砲がらみであること、けっこうやらしい策謀をはりめぐらしたりと、信長もののマンガに似た印象を持ちました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2014-09-06 15:09:01] [修正:2014-09-06 15:09:01] [このレビューのURL]


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