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5.66点(レビュー数:3人)

作者高野苺

巻数5巻 (完結)

連載誌月刊アクション:2012年~ / 双葉社

更新時刻 2014-12-18 14:56:48

あらすじ 高校2年生の春、菜穂に届いた未来からの手紙。そこには未来の自分の後悔がつづられていた。はたして菜穂は手紙を読み「後悔しない未来」を作ることができるのか? 切ない思いが交錯するタイムパラドックスラブストーリー!

備考 連載は別冊マーガレットで開始したが、2014年に月刊アクションに移籍

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orangeのレビュー

点数別:
1件~ 3件を表示/全3 件

2点 朔太さん

主題となる友情のために未来を変えていこうとする
ストーリには、あえて評論しない。
その前に読む気を失うような障害が多過ぎて、展開を
楽しむ気持ちも感情移入もできないためである。

5巻読了後、最大の疑問は、別冊マーガレットで連載
された典型的少女漫画作品が、何故青年誌に移籍されたのか。
青年誌で読むのは無理と断言させてもらう。

女性作家が描く本作品では、男性心理や生理が全く
理解されていない。一部の女性たちには、同様な
感想を持ち賛同されることはあるのに、
大多数の女性にとってはこんな男女関係が理想であるらしい。
大人から見ればとても非現実的だが。

男性読者に読む気を失わさせる違和感を下に列挙すると、
・母親と一緒に病院に行くことをドタキャンしたことが、
一生の後悔につながり自殺願望になる男性などいない。
いたとしてもそれは男性自身も精神的に病んでいる
証拠であって、根拠となる友情も育まれていない
うちに、周囲の高校生が彼に巻き込まれて罪悪感を
抱くことは現実に有り得ない。
ここは、本作品の基軸になっているだけに、大きな違和感である。
・傷つきやすいナイーブな翔に、同級生男女仲間の
5人が同調的に神経質な扱いをすること。
そんな関係性なのに一緒に並んで笑いながら走る構図は、
とても気持ち悪い仲間であること。
さらに、誰も翔にマザコンとしての気持ち悪さを感じていないこと。
・須和が自殺願望マザコン野郎の翔に忖度して、
菜穂への告白を止めること。
何度も言うが、特段に根拠となる友情について
描かれていないのにである。
・男女間、特に男子高校生が「・・して、ごめん。」
というセリフを乱発していること。
これは今どきの無自覚な女性の治らない癖である。
男が使う場合は、女性に合わせているだけか、
本当に大人になりきらない幼児性男子の場合だけである。

仕方なく読了したが、改めて男性にとって少女漫画
というのは、とても受け入れがたい代物であることを
再確認できたのが良かった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-05-04 08:20:09] [修正:2019-05-04 08:20:09] [このレビューのURL]

8点 ぴょんたさん

[ネタバレあり]


高校二年生になった4月の始業式の日、自分から手紙が届く。
その手紙には東京から転校してくる成瀬翔を救ってほしいという内容。
実は自分だけではなく、周りの皆にも届いていて・・・
という内容なのですが、本当に上手く描かれていると思います。
もう1巻から涙が止まりませんでした。
翔を救うためと信じて行動する皆。
それは簡単なことではなく、わかっていても間違った選択をしてしまったり
再び過ちを繰り返してしまったり。
それぞれの思いを器用に描きながら進んでいく物語。
本当に心苦しくなるシーンも多く
青春の儚さ脆さ輝きを詰め込んだような作品です。
終わりがわりとあっさりしていて物足りなさを感じたりもしましたが
「翔を救えるか」とテーマで動いていた物語だったので
これでしっくりまとまっているような気がします。
後悔の無いように生きようと勇気をもらえる漫画でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-07-18 21:47:59] [修正:2016-07-18 21:47:59] [このレビューのURL]

7点 鋼鉄くらげさん

何となく、アニメで毎週ストーリーを追っていくのはしんどそうだったので、原作を先に読んでしまいました。

なお、今回のレビューは結末まで全て知っている前提のネタバレ全開レビューですので、アニメで今後の展開を楽しみたいという人は、このレビューを読まないでください。

10年後にいる未来の自分から、このままだともうすぐいなくなってしまうクラスメートを助けるために、未来を変えて欲しいと頼まれるこの作品。

話のキモはずばり、「自分の心の中にある罪悪感に抱えたクラスメートを、自殺の未来から救うことができるのか」という点です。

その未来を回避するため、未来にいる自分から送られてきた手紙によって伝えられた今後起こりうる出来事を事前に把握し、現在を生きる主人公たちがそれを回避するため、あるいはよりよい未来に変えていくため奮闘する、というのがメインストーリーなんですが、あれですね。思った以上に面白かったですね。恋愛漫画というよりはどちらかというとサスペンスドラマみたいな感じで。このまま進むとバッドエンド直行だと分かりきっているのに、読んでいる読者は何も出来ずにただ登場人物たちを見守ることしかできないというハラハラ感。ホントに、上手く作ってあると思います。

未来を変える。過去改変ものに共通して言えることは「過去に対する後悔」です。つまりあの時ああしていればもっと良い未来が待っていたんじゃないかという結論の出ない仮定論。

ただ、自分はどちらかというと作中の萩田の意見に近く、過去に戻ることなんて絶対に出来ないと思っていますし、仮に戻って過去を変えたとしても、それで必ず今が幸せな未来に変化するとは限らない、とも思っています。結局、過去の後悔っていうのは過ぎた時間の中で生まれた「感情のひずみ」みたいなもので、どんな時間軸を歩んだとしても大なり小なり必ず発生してしまうものだと思います。要はその生まれてしまった「ひずみ」に対して、自分の中でどの程度折り合いを付けるのか。そこが大事なんじゃないかと思います。

この作品のラストで、現在を生きる主人公たちは翔を無事に救うことができましたが、彼が死んでしまった未来にいる主人公の時間軸では、やはり翔の姿は現れませんでした。おそらくそれは、彼らが翔を救うことができなかったことに対して今でもやはり後悔はしているけれども、それでも今は、その出来事を一つの事実としてきちんと心の中に受け入れられる。そんな登場人物たちの心情を伝えるために、こういうラストにしたんじゃないか。そんな風に思いました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-07-09 00:53:01] [修正:2016-07-09 01:07:09] [このレビューのURL]


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