高橋留美子傑作短編集のレビュー
8点 オカシューさん
高橋留美子先生の魅力をアピールする際には紹介する作品に特に注意を払う。
週刊サンデー作品(犬夜叉等)を最初に勧めるのはリスクが高い。
魅力あるキャラクターや設定がありながら週刊連載という時間制約の厳しい創作環境が作品を間延びさせている部分がある事を認めざるを得ないからだ。
「めぞん一刻」を出すのがテッパンだと思うが前半はラブコメ色よりギャグ色が強い。
ので怒涛の後半まで楽しむのは確実に好きになってからの方がよろしかろう。
そんな中、高橋マンガ初心者にオススメできるもっとも優れた一冊が本作「傑作短編集」だ。
そしてできたら2集が良い。私もソイツで目覚めたクチだ。
増刊サンデーに半年周期で掲載されたシリアス作品が4本入っている。
当時「うる星」に距離を置いていた私は衝撃を受けた。
高橋留美子はこんな凄いシリアスが描けるのか、と。
高橋シリアス作品人気はその後もうなぎのぼりで「人魚シリーズ」が開始される。
だがたまたま人魚シリーズが連作可能な作品構成だったからで他の作品も決して見劣りはしない。
まとめっ。
週刊連載のメジャー作品だけで高橋留美子を判断するのは早計。
ギャグ、ラブコメ、シリアスと多くの顔を持つ高橋留美子の全てが味わえる短編集。
第2集「炎トリッパー」
何も言わずまずはこれを読んで欲しい。大人気作家となった秘密はここに隠されている。
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[投稿:2010-07-11 00:59:31] [修正:2010-07-11 00:59:31] [このレビューのURL]
7点 kenkenさん
ダストスパートが特に好き
たった五話なのに犬夜叉より遥かに面白いとはどういうことか
やっぱり非凡なようでどっか庶民的、かっこつかないキャラクターを描かせたら右に出るものはいないと思う
連載も終わったことだし、またコメディを描いてほしい
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2008-07-17 23:04:18] [修正:2008-07-17 23:04:18] [このレビューのURL]
8点 鹿太郎さん
デビュー作から『うる星やつら』や『めぞん一刻』の頃の作品であるため、絵柄的に古臭く感じるかも。
コマ割も最近の作品の様にスマートでなく、しばしば1ページあたりのコマ数が多くなり悪く言えばチマチマしてくることがあります。
しかし、それでも読みにくさといったものは全く感じない。
別段、難しいことをしているわけでも無いと思います。
例えば、最初にナレーションを使って設定説明をするにしても、ただ長文を読者に押し付けるのではなく、細かくギャグを入れて読者を飽きさせないことであったり、場面転換が繰り返されるシーンではひとつひとつに背景だけの絵を入れwhereをきっちり示して行く、また安易にバストアップを多用せずミドル・ロングとバランスよく入れていく・・・etc。
とにかく基礎的な構成力が当時の新人としては桁外れに高い。
プロの仕事を堪能できる作品集。
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[投稿:2006-03-20 01:38:14] [修正:2006-03-20 01:38:14] [このレビューのURL]