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7.93点(レビュー数:58人)

作者徳弘正也

巻数20巻 (完結)

連載誌スーパージャンプ:1997年~ / 集英社

更新時刻 2012-01-19 13:35:22

あらすじ 西暦2030年、男女隔離政策下にある近未来日本に密かにインターネットを通じて結婚した一組のカップルがいた。狂四郎と志乃ことユリカ。
その世は性欲を抑えるため、ポリゴンによるバーチャセックスが主流になり、国民はこれによる奉仕に満足し、逆にそれを手にするために働くようになった。
第三次世界大戦後の死滅へと向かう国家の話であると同時に、ただ二人が愛し合ったというそれだけを証明するだけの話。

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狂四郎2030のレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全58 件

10点 団背広さん

[ネタバレあり]

新ターちゃんのころからこの作者さんは結構凄い人なんじゃないかと思っていたが、まさかこの人の本気がこれほどとは。
この迫力、この深味。そしてギャグもちゃんと活かす漫画性。
ああ、もう何から書きゃいいんだ?何から誉めりゃいいんだ?誉めるとこが多すぎてどこから書いたらいいんだかわからねえよ!とか言いたくなるくらい凄え漫画なんで、俺なんぞではうまくまとめることすらできません。ってかさ、真面目にこれのレビュー書こうと思ったら半端じゃない長文になっちまうよ!ああ困った困った。

とにかく名エピソード揃いで、どの話も素晴らしいです。
俺がその中でも特に良いと思うのは八木編、白鳥編、アルカディア編の3つ。「S」との熱いバトルが出てくる八角大尉編もかなり良いが、まぁ選べと言われればこの3つです。
八木編は八木というキャラ自体がいいし、ガンダム0080を思い出すラストが泣ける。アルカディア編はフェイント付きの激辛なオチとそこに至るまでの展開が秀逸。
そして白鳥編。これはもう、マジで最高のエピソード。
マイカを抱いた白鳥の「お前が初めての女だ!」に俺は泣いた。
ああ、なんて童貞くせーセリフなんだ!痛いほどにわかるぞ、白鳥!何かわかる!妙な何かが!非常に恥ずかしい何かがな!

んで白鳥と狂四郎のガキのころの話もいいし、何より〆の「二人で200人斬り」はもう男なら燃えろ!と言わんばかりの激燃えシーン。少数で圧倒的多勢に向かっていく、というのはやっぱいいね!燃えるね!最高だね!!
しかもちゃんと俯瞰視点で敵の多さを見せたりとかの映画的な演出も入っていて、なんかもう嬉しくなっちゃうよ。どこまで幅が広いんだ、この人の漫画は。あーもーなんかスゲェ。

時代劇+SF+ラブストーリー+ギャグという多くの要素が混ざっていながら、どれもおろそかにしておらず、むしろ全ての面で深くまで斬り込んでいるという隙の無い漫画。
ま、「結局八角博士のタイムマシンってなんだったの?」とかいう穴もあるにはあるが…そんなのは気にならなくなるほど迫力のある内容ですからね、やっぱ傑作ですよ。大傑作ですよ。これだけ完成した長編連載が他にどれだけあるってんだ?文句無し10点!

ナイスレビュー: 3

[投稿:2006-01-31 11:20:57] [修正:2006-01-31 11:20:57] [このレビューのURL]

9点 ごまあぶらさん

ここまで考え込んだ話はないでしょう。
ゴルゴ31サンのサイトにも書いてましたが、破綻が見当たらないんです。
近未来という想像もしくは理想しかない世界をただ一人の人間が表現してしまったということは驚くべきことです。
若干目を瞑る点もありますが、設定、ストーリ展開がすべてを凌駕してしまっているため、9点以上は譲れません。
限りなく10点に近い9点です。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2005-04-23 02:15:29] [修正:2005-04-23 02:15:29] [このレビューのURL]

6点 DEIMOSさん

第3次大戦後の2030年の荒廃した日本を舞台に、圧倒的戦闘力を誇る狂四郎と下級公務員ユリカの遠距離恋愛〜感動の対面を描いた、チンポエロSFバイオレンス漫画。

WJを舞台にきわどいエロ漫画を描いてきた徳弘正也氏が満を持して青(成)年誌に投入した、SFバイオレンス漫画であり、エロやチンポこそ間断なく出てくるのだが、全く違和感なくストーリーを楽しめる。シェイプアップ乱やターちゃんでは下ネタギャグが作者の「照れ」の表出として見受けられたが、本作ではバーチャルセックスを時代観に組み込んでいたためか、もはやライフワークの一部として溶け込んでいる印象を持った。バーチャル世界、遺伝子操作、選民思想、官僚腐敗、食糧不足等、SF設定自体は個々それ自身は手垢のついたテーマであるが、複合的に使うことで一つのオリジナリティある世界観を構築している。

なお、巨乳や筋肉への憧憬は宗教的でもあるので、好みが異なる人間は毛嫌いしてしまうかもしれない。だが、本作の本質はロミオとジュリエットなのであり、殺人鬼や淫売等という人間が背負った十字架の哀愁なのだ。エロやチンポがあっての愛、それを正面から描いた本作は結構偉大なのかもしれない。

絵については、決して上手くはないが、書き込みの多さと怪物の造形のユニークさには定評がある。真面目な性格が表れているのだろう。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2013-04-07 00:13:17] [修正:2013-04-07 00:13:17] [このレビューのURL]

6点 sin00さん

 設定が好みだし展開も悪くない.独特の絵柄は好みが分かれる.絵柄は慣れるにしても内容的に帯に短したすきに長しで対象年齢的にどの層の主流にもなれない.

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-02-18 08:30:15] [修正:2012-02-18 08:30:15] [このレビューのURL]

9点 ブリキの金魚さん

まず、大変残念な事にこの作者と「笑い」の感覚が違います。クスりともきません。

しかし、この漫画、強烈です。
「愛」だの「友情」だの「正義」だの、確かにそういった話も盛り込んでいますが、この作品の核は『欲求』だと思います。しかも、性欲に焦点を当てています。結果、性描写が多いとか気持ち悪いなどと敬遠されがちです。(実際、自分も性描写の多さと独特の絵柄と「笑い」の感覚が違うギャグに拒否反応が出て何回も1巻の途中で断念しました。)

でも、この漫画の核心と思われる『欲求』に気付いてから自分のこの作品に対する評価が一変しました。美しいものに群がる心の弱さ、権利を振りかざす醜さや、政治の世界まで、人間の果てしない『欲求』の比喩表現として性描写が使われている、エポックメイキング的漫画です。

あとは、話の内容の構成力の高さもさることながら、この世界観。バーチャSEX、M型遺伝子理論、デザインヒューマン、アルカディアの設定等、漫画の中の仮想世界を構築する構想力がとても緻密。この作品の良さに気付く事が出来て良かったです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-04-23 07:16:45] [修正:2011-04-23 07:49:32] [このレビューのURL]

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