狂四郎2030のレビュー
10点 三助さん
下ネタギャグが多すぎる点を除けば本当に素晴らしい漫画。
特に八木少将が登場してからは時間を忘れて読み耽ってました。
最後が意外にあっさりとした終わり方だったので肩透かしくらいましたが、
不満のない読後感を味わうことができました。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-04-18 10:13:11] [修正:2010-04-18 10:13:11] [このレビューのURL]
10点 ふらのにんじんさん
人の善悪、愛と狂気を描ききった傑作。
主人公の狂四郎の心の強さに惹かれるし、
弱さに共感する。完全な人間なんていない、
全ての登場人物が持つ心の弱さがこのマンガ
をより深いものにしていると思う。予想が
つかない展開も素晴らしい。おすすめ。
八木編、アルカディア編が個人的に好き。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-03-30 20:26:18] [修正:2010-03-30 20:26:18] [このレビューのURL]
9点 白い犬さん
この作品は非常に完成度が高い。しかしマイナス点をつける人の
大半は「下品」「エロ描写が多すぎる」ということを
いっている。個人の感想なのでそう感じてしまうのはそれでいいことだ。
私が思うに、この作品が下品なのは徳弘テイストのお約束的下ネタギャグは仕方ないとして性描写の多さは「セックス」という肉体の繋がりが物語の核になっているからだと思う。(読者サービスもあるのだろうけど)
男と女が隔離されて人口制限されている近未来。セックスは政府の管理下におかれている。個人と個人の結婚、セックスは権力者のみの特権である。そんな世界でエリカは権力者により性的人権を踏みにじられ、
またプログラマーとして数々の男のむきだしの欲望を目の当たりにして
絶望の世界の中生きていた。そしてその世界からエリカを救ってくれたのは狂四郎とのセックスなのである。セックスで貶められた精神を癒せるのはセックス、という矛盾のようだがセックスの生殖目的以外の意味の二面性をSFという設定の中でよくぞうまく表現したものだと思った。いや、男女完全隔離というSFの世界だからこそ描けたのかもしれない。
物語は複雑化して政府を狂四郎&バベ+エリカが倒すことを期待した人にとってはようやく二人現実世界で出会って本部から抜け出しておしまい、という展開は納得がいかなかったと思う。(タイムマシンの伏線も
ほったらかしだし)徳弘の手腕なら狂四郎達がこのあと政府を転覆するくらいのストーリーが描けたと思う。でも徳弘はあとがきに書いているが物語はロミオとジュリエットであってあくまでもラブストーリーとしてのハッピーエンドを選んだ、とあった。たぶん徳弘本人も相当迷ったのではないかと思う。
でもはじまりがラブストーリーであったこの作品を途中作者が社会派に目覚めて風刺しだしたりするより(そういう漫画、長期連載だとたまに見かけますよね)いさぎよくラブストーリーで締めたことで私はすっきりした。めでたしめでたし、というところです。
あと下ネタのない徳弘漫画なんて牛肉抜きのスキヤキみたいなもんですよ。
それにしても、ここまで設定が完成されてると
ハリウッドあたりがしれっとぱくりそうですね。
ほら、ハリウッドって日本の漫画やアニメから
設定とかなにやらけろりとアイデア盗むじゃないですか。
なんて余計な心配してみたり。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2005-12-08 17:35:18] [修正:2007-08-07 15:24:15] [このレビューのURL]
9点 勾玉さん
今まで読んだ漫画の中で一番ハラハラドキドキさせられたのが、この漫画。
物語の大筋は主人公がヒロインを救いに行くというラブストーリーだが、
そこに至るまでの道中には、様々な出会いとエピソードがあり
狂気の社会に翻弄される美醜交えた人間模様の数々が描かれている。
おぞましい世界で展開する物語は、常にどう転がっていくか予想のつかない怖さがあり、
反吐が出そうなほど救いの無い結末で終わるエピソードもあれば、
胸を撫で下ろし心底ホッとするハッピーエンドな話もありと、
初めて読んだ時は、ひどく感情を揺さぶれた。
下ネタの頻度や強烈さで確実に人を選ぶ作品だが、
それでも一度は読んでみてほしい快作となっている。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2017-10-24 15:12:52] [修正:2020-01-20 06:47:34] [このレビューのURL]
9点 kitanoさん
近未来の日本が舞台。SF漫画としての側面を保ちつつも、結末から鑑みてラブストーリーが根幹であることは明白。狂気と欲望に駆られた人物らをテンプレ化させることなく、独特の距離感を持って時に残酷に、時にユーモラスに、時に優しく、時に冷徹さを秘めて輪郭を浮かび上がらせてゆく。
過不足ない編集とここぞという場面の描写の上手さ、状況問わず飛び出すコメディ、如何なる題材でも、如何なる世界でも自身の作家的スタイルを崩さない徳弘正也の筆致の強さ。漫画はかくあるべきだと実感させる傑作。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2017-04-30 08:31:30] [修正:2017-04-30 08:34:52] [このレビューのURL]
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