ディスコミュニケーションのレビュー
9点 Leonさん
緻密な書き込みと編ごとに変化する作風が最大の魅力。
濃密で重く深い冥界編、一転してコミカルな学園編と
不思議で多様な恋愛(意味深なのも含まれるが)模様が描かれている。
間違いなく人を選ぶだろうが色々な意味で濃いアフタヌーンらしい傑作だと思う。
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[投稿:2016-12-31 22:14:02] [修正:2024-05-31 09:29:10] [このレビューのURL]
8点 臼井健士さん
男女の恋愛に独特の宗教観を加えた?摩訶不思議な世界が展開される異色の恋愛漫画。
話の面白さは冥界編がピークだったような気もするが、学園編はトンデモキャラ多数登場で違う意味で盛り上がる。
絵はむしろアニメ系で、後半では戸川が「おもらし」したりとか、作者の趣味が色濃く出たようなシーンが多い。
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[投稿:2010-07-03 09:19:29] [修正:2013-08-18 20:25:00] [このレビューのURL]
10点 booさん
あまりにも自分の一部になりすぎて客観的にはとても見れない作品。直接関係ない語りもあるし、非常に長いので不快な方は飛ばしてくだされ。
「原始の生命は濃厚な有機物のスープから生まれた。新しいものは常に混沌から生まれる。」どこかで見て(火の鳥か?)心に残った言葉。まさにディスコミのことのようです。
民俗学・哲学・宗教・オールド玩具などへの愛に満ちた書き込みと世界観、恋愛を上記の要素を絡めてある意味回りくどく表現するストーリーが特徴の個性的すぎる作品。摩訶不思議恋愛漫画とよく紹介されます。
私が読んだのは小学校低学年の頃。この頃姉の本棚に入っていたディスコミやスラムダンク、ジョジョ、るろ剣、赤僕などから私の漫画ライフは始まった。うん、いい漫画ばかり。
そんな良漫画の中に異彩を放つディスコミには強烈な衝撃を受けた。他の漫画と異質も異質で、意味が分からない所もたくさんあったのにとにかく夢中になって読んだ。何しろあまりにも変態的(エロではないよ)なのでイケないものを読んでいるような背徳感というかそういうドキドキがあって、そういう意味でも思い出深い作品です。
今の私を考えるに、漫画の嗜好から服など装飾的なセンスまで色んな所が血肉になっています。良かったのか悪かったのか分からないけれども、ディスコミに出会わなかったら今の自分はないでしょう。小さいうちに出会えたことに感謝。
少し内容紹介。ディスコミは導入編、冥界編、学園編、内宇宙編に分かれている。
導入編…主人公の戸川とその彼氏松笛の紹介も兼ねた2人を中心としたエピソード群。戸川と松笛が付き合うことになったきっかけやその少しアブノーマルな日常が語られる。歓喜天などの密教や神話を絡めた幻想的な話が多い。松笛の不思議さと戸川の松笛の謎を解きたいという気持ちが押し出されて、謎の彼氏Xとでもいえるような仕上がりになっている。こちらは人間じゃないかもしれないくらい謎ですが…。導入編ではまだ絵が荒いものの、独特の美しい絵と話が印象的です。
冥界編…謎の2人組に冥界に落とされた松笛を助けるために戸川も冥界に飛び立つ。冥界編はディスコミの中でもかなり異質で、長期間自分の内面世界と向き合う真摯な話となっている。「なぜ人は人を好きになるのか」、ディスコミ全編でのテーマでもあるこのテーマに冥界編では真っ向から取り組んでおり、独創的だが重い展開が続きます。
自分の内面を追求することは辛く、先の見えない作業ゆえに人は壁にぶち当たる。その時「あきらめをもたらす者」を象徴してか、戦闘シーンも読み応えがあるものに。この結末はとても良かった。名編です。
学園編…前後編に分かれる。冥界編とは打って変わってとにかくコミカル。個性的なギャグが冴え渡っている。前期後期共に何か悩みを持つ男女が松笛と戸川に解決を求めてきて、オカルティックな道具や解釈で彼らを悩みから解放していくという筋立ては共通している。冥界編で分かりにくいと読者に言われたことから学園編では自分が分かる話しか書かないようにしたそうで非常に読みやすい。この学園編、特に11巻はディスコミの中でも屈指の作品群。
前期学園編でのテーマは性的倒錯だろうか。変に思えるかもしれないが、恐らく真面目に取り組んでるので意外に興味深い。後期学園編のげに尊きは彼女のふくらみからは霊感少年少女を鍵としたシリアスなテーマ性を持った作品となっており、絵柄も一変する。Dr.Strangeloveさんと同意だが、特に天使が朝来るは傑作。夢の扉も良かった。
内宇宙編…前半はエロい。とにかくエロい。直接的なエロさはあまりないにも関わらず下手なエロ漫画よりよっぽど。性を通して自分の心と世界を描いている章ですが、危ないネタがいっぱいで真に変態的な話が多いのでここで引いちゃう人も多いかも。そろそろ読者も自分も分からないような話を書いていいかな」ということで、読者が置いてけぼりになりがちな内宇宙編ではあるけれど考えさせられるのは確かです。
後半は前期学園編や導入編が混ざったような話になる。各エピソードの主役が話を盛り上げ、戸川と松笛は脇役といってもいいくらいの位置づけに。けっこう異常な話のはずなのに全く気にならない。もはや倒錯的な恋愛を当然のように肯定し、憧れさえもたせてしまう変態植芝には脱帽です。でも少しは自分の中にそんな面があるはずだよね。
大好きな作品ですが、決して万人向けではないことは断言しておきます。映画で例えるなら、ショーシャンクの空にのように万人が認める名作ではありません。パルプ・フィクションのような中毒性はあるものの好き嫌いが分かれる名作です。
私のレビューで上の方にランクインしてしまいますが、こんな得点をとる作品じゃないだのと他人の評価に文句をつける方が現れないことを祈っています。当然ですが、自分の価値観は必ずしも一般的な価値観ではありません。一元的な見方をしてしまう人には合わないだろうなと思いつつもそんな人にこそディスコミュニケーション(相互不理解)を読み込んでくれたらいいなと思うのです。
この美しいまでの混沌、とにかくご一読あれ。
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[投稿:2011-07-20 02:18:36] [修正:2011-08-01 15:34:37] [このレビューのURL]
9点 マサキレンさん
この作品は漫画家植芝理一氏のデビュー作であり、その後に発表された夢使いと謎の彼女Xの原点になった作品でもある。
私がこの作品を知ったのは単行本の2巻が発売された頃なので随分前の話なのだが、当時その独特な作品観にとても衝撃を受けたことを今でもよく憶えている。
改めて読み返してみると少々古臭い印象を受けるが、ある意味この作者の魅力が一番詰まっている作品といえるだろう。
特にこの作品の中で唯一の長編である冥界編は特にオススメであり、それ以外にも魅力的な短編が盛り沢山である。
夢使いや謎の少女Xからこの作者の作品に入った方で、この作品はまだ未読という方は是非こちらも読んでみていただきたい。
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[投稿:2010-10-24 19:20:58] [修正:2010-10-25 00:07:41] [このレビューのURL]
6点 スケフサさん
前半はゴチャゴチャしていて、ちょっととっつきにくかったです。
後半は学園ドタバタコメディでなかなか楽しんで読めました。
いい意味で変態的。松笛くんのお面や部屋の置物のセンスや、学校の張り紙などもゴチャゴチャ描いてある部分もおもしろい。
変な男の子と普通の女の子のよくわからないが、どこか神秘的で、どこかで愛を感じられたりする。
こんな漫画もアリだと思った作品です。
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[投稿:2010-10-23 18:47:55] [修正:2010-10-23 18:47:55] [このレビューのURL]
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