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5.78点(レビュー数:38人)

作者中村光

巻数19巻 (連載中)

連載誌モーニング・ツー:2007年~ / 講談社

更新時刻 2012-05-15 20:18:09

あらすじ 世紀末を無事に越えたブッダとイエスは、東京・立川でアパートをシェアし、下界でのバカンスを送っていた。女子高生にジョニー・デップに似ていると言われ、照れるイエス。近所の小学生に額のホクロのようなものを強く押され、それが弱点だと気づくブッダ。そんな「最聖」コンビが送るぬくぬくコメディ。

備考 2009年第13回手塚治虫文化賞短編賞受賞。

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聖☆おにいさんのレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全38 件

9点 景清さん

[ネタバレあり]

宗教をネタにしたギャグ漫画、というと一般的に連想されるのは、新聞などに掲載されるような風刺漫画のたぐいだろう。以前もヨーロッパの新聞がイスラム原理主義を風刺した漫画を掲載して一騒動あったことも記憶に新しい。
しかし本作「聖☆おにいさん」はまったく新しいコロンブスの卵的発想から誕生した宗教ギャグ漫画である。何より設定がすごい。かの聖人であるブッダとイエスがたまのバカンスを下界で過ごそうと東京は立川のアパートにルームシェアするというのだから。
二人ともスラリと長身でジーンズにTシャツ(それも「スジャータ」だの「ジーザス」だのと書かれたネタTシャツ、しかもブッダお手製)を身にまとったイマドキのちょっとダメそうな若者スタイルで毎日毎日観光したり公園で遊んだりブログの更新にいそしんだり、と実に脱力気味で楽しげな毎日を過ごしている。しかしながらもとが聖人のため、ついつい勢いあまったり不可抗力から奇跡を起こしちゃったり、とそんなのどかなドタバタがギャグとなっているのである。

この漫画においてはブッダもイエスも実におおらかな萌えキャラと化している。聖人を萌えキャラにするなんて日本ならではだろう。この漫画の舞台が現代の日本なのも偶然ではない。
日本は「無宗教」といわれて久しいが、同じ無宗教でも欧米のそれと日本のそれは意味合いがかなり違う。
欧米諸国などにおける無宗教という立場は、宗教の徹底的な否定を意味する。たとえば政教分離の考えを徹底しているフランスでは、学校などで宗教的な教育や行事を行うことを完全に禁止している。
ところが日本における無宗教とは、正月にはお寺に初詣をし、お祭りではおみこしを担ぎ、クリスマスにはケーキを食べるという悪く言えばいい加減で、よく言えば大らかなものなのだ。作中でブッダもイエスも上記の行事をすべてこなしている!(イエスはクリスマスが自身の誕生日であることに当初気づいていなかった)
興味深いのはそんな聖人二人も、アパートの大家のおばさんにだけは頭があがらない点だ。大家のおばさんは当然二人が聖人であることに気づいていない日本的な世間・常識を象徴するキャラで、この構図からはいろいろ考えさせられる部分も多い。

作者はおそらく仏教もキリスト教もどちらも熱心に信仰しているわけではないのだろうが、作中のギャグには両宗教の教義や伝説にまつわるネタによるものが多く、この漫画のギャグを理解するうえでは多少の予備知識が要求される。決して対象をおろそかにはせず、むしろ萌え化するほどいつくしむこの漫画のあり方からは、「信じる」or「信じない」の単純な二者択一を超えた何かまで感じられる。

この漫画が日本で生まれ、日本を舞台にしているのは決して偶然ではなかったのだ。そんな奇跡にひとまず感謝しつつ、本作は楽しみたい。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2008-09-13 15:59:25] [修正:2008-09-13 15:59:25] [このレビューのURL]

7点 即身仏さん

う?ん・・・。確かに面白い漫画なんですが、聖人を笑かしの対象にするのはやっぱり不謹慎ではありますね。自分にも最低限の信仰心があるという事なんだろうか・・・。それでも面白い漫画なんですよね・・・。実に評価に困る漫画であります(苦笑)

一応、純粋に面白い漫画だ、という事でこの評価に。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-09-23 02:22:58] [修正:2010-10-26 20:19:02] [このレビューのURL]

7点 kouさん

好き嫌いは分かれそうな漫画ですが、相当おもしろかったです。
イエスとブッダが下界でバカンスという設定だけでもおもしろいんですが、その設定に頼り切っていないところがすごい。
もう笑いっぱなしでした。
キャラの表情や言葉づかいも秀逸です。
とても生き生きしてるし、自然な友情が感じられるのが心地いい。
セリフの外にある「さりげない面白さ」も感じ取れる良質な漫画で、個人的にかなりつぼでした。
絵柄も好みなので7点。

ブッダやイエス・キリストのエピソードが随所に散りばめられていますが、そこまでマニアックなものは少ないので、すんなりと笑うことができました。
ただ手塚治虫の「ブッダ」や聖書を読んだことがある人は、より楽しめるかもしれません。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-01-27 13:43:53] [修正:2009-03-13 10:50:03] [このレビューのURL]

5点 朔太さん

ブッダとイエスにまつわるエピソードをしっかり知っていないと
笑えません。
いや知っていても笑いが限定的で、マニアックな匂いが鼻につく
感じがしてしまいます。
お試しで3巻まで読みましたが、延々と同じギャグが続いていく
ような飽きがきました。
連載雑誌で毎号楽しむべきもので、単行本で一気読みはつらい
かも、でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-06-21 21:44:20] [修正:2016-06-21 21:44:20] [このレビューのURL]

5点 fasterさん

まぁそこそこ笑えるギャグ漫画だった。
ブッダやイエスをこんな風に書いている漫画なんて見たことない。

何よりシュールなだけでなく、しっかりとした笑いの基礎が分かってやっているなという印象を受けた。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-12-23 23:44:58] [修正:2013-07-24 23:29:06] [このレビューのURL]

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