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7.2点(レビュー数:5人)

作者ジョージ秋山

巻数3巻 (完結)

連載誌週刊少年マガジン:1970年~ / 講談社

更新時刻 2009-11-25 00:44:55

あらすじ 今の時代からは想像もつかない“大飢饉”。舞台は中世、農村の時代。日照りが続き干上がった土地では、食べるものは何もなくなる。飢饉で追いつめられた人間のすることとは…!? 不幸な生まれ方をしたアシュラは、その逞しい本能により壮絶な生き方を繰り広げる。 人間性の本質と欲望をギリギリのところまで描いた“衝撃の問題作”!!

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アシュラのレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全5 件

10点 鈴森一さん

[ネタバレあり]

強い思想性を感じます。
この作品を「宗教を描こうとした漫画だ」と誰かが評していましたが、まさにその通りだと思いました。
餓死する、人肉を食らう、人を殺す、などの凄惨な描写が次々出てきますが、この作品には必要な描写です。
アシュラが人間らしい心を少し持ったところで物語は終わります。
人間らしい心を持ったことは彼の救いになるのか、むしろ彼の苦しみはより増していくのではないか、苦しみを背負った先にどんな思想へ行きつくのか、などということ考えると、続きが読みたかったなと思います。
でも、その続きは読者一人ひとりが考えればよいんです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2022-11-07 19:42:25] [修正:2022-11-07 19:42:25] [このレビューのURL]

7点 gundam22vさん

応仁の乱(一番日本が荒廃してた頃かも)時代頃の
日本での人肉食少年が主人公の物語です。
当時発禁になったらしく
生まれ前後から非常にショッキングな描写で…。

映画化で気になって作品調べたら興味湧いたので読んでしまい
ました。画力はさすがにかなり
古い漫画で拙い面はありますが、
描かれたテーマは今の漫画にはないものが見えます。

ストーリーが勢いで描いた部分も大きくてゴチャゴチャ
や超展開(アシュラや母が人外のしぶとさ)していますが、
場面・場面は引きつける演出、セリフが巧みです。

特に法師が真理をついた良いこと言ってるんですよね。
途中からアシュラが人として目覚めたからこそ人を殺して
しまう(餓えだけじゃなく幸せそうな家族を見ると
トラウマ刺激が入って来る。ただし人は食べなくなっている)皮肉な描写。ただ食がないから人を殺すのも仕方ない
じゃないかという話よりもっと深いと感じました(映画は
そこに話を帰結させてしまっています)。

知名度低いですが悲惨な終わり方をした本編後の完結編(別冊
で入手可)まで
読んだ方が良いです。皆のその後や法師の人の道しるべを示した
最期には感動しますしアシュラが
それで救わた終わり方で印象が違いますから(映画は若狭が
その役ねじ込んた感が強く無理があったと思います)。

ヒロインの若狭がヒロインらしくなく、アシュラを救えない
様子、人肉食に堕ちて彼女を聖母視してたアシュラを絶望
させるシーン、二人の男の間で迷って愛より利をとる(そう批判できないと思います。それほど食は深刻ですし)描写も古い漫画なのにやるなと感じました(映画はここも何故か改変しています)。

拙い点は多々ありますが、映画を見た人も見てない人も是非一度は読んで考えた方が良い漫画かと思います。



ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-10-12 02:01:46] [修正:2012-10-12 02:02:54] [このレビューのURL]


ジョージ秋山という漫画家は浮浪雲という人間讃歌大長編を描いてはいますが、このアシュラ等の危険な中編や短篇をこれでもかというくらい70年代に発表している側面も面白いですね。
この作品の存在感や内容はとても凄まじく5点という点数は少し個人的にも酷です。期待していたより劣ってしまったというのでしょうか。サンコミ版全3巻、3巻も必要だったのかと思いました。アシュラの心情としては最初から最後まで揺るぎはあるものの一貫しているという点で納得いかなかったのかもしれません。なにかしらのアプローチを期待していました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-05-07 22:35:30] [修正:2011-05-07 22:35:30] [このレビューのURL]

8点 kenkenさん

極限の飢饉状態ゆえに人肉を食いながら生きていく子供の話なので、テーマも重く過激なシーンも多い衝撃作なのは確かです。

ジョージ秋山の漫画は人間の良いところも悪いところも併せ呑んで、
俯瞰して愛しく描かれている作品が多く、そのため過激な内容でも決して単なる露悪、厭世に留まらない感動が得られます。

しかしこの漫画では主人公アシュラによって、人間の善良さは外面だけの嘘で醜い本性こそが真実であると暴かれていきます。
そうして極限状態の人々を描こうとしたせいか、逆に単に露悪的な描写に留まってしまっていて銭ゲバほど心に響くものはありませんでいした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-07-14 23:10:42] [修正:2010-06-06 18:59:14] [このレビューのURL]

6点 bugbugさん

ものすごいマンガであることは確かだが
銭ゲバと比べると、見劣りすると個人的には思う

その理由はアシュラの世界をイメージできない、自分の想像力の貧困さにあるのかもしれない
生きるために人肉を食らう
そうした世界では何が正常で何が異常なのか
少なくとも衣食住にこと足りない私には、掴みかねたというのが正直な感想で
理解できなかったがゆえに、見に迫る恐怖を感じることはなかった

今生きるこの世界こそが地獄であるという構図
主人公が人間らしい心を手に入れたがゆえに、犯した殺人
動物的な本能と、社会の中に潜む狂気を対比させ
社会に対するメッセージという風に解釈するのは、いささか行き過ぎだろうか

作品持つインパクトは十分である

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-02-03 01:42:55] [修正:2009-02-03 01:53:11] [このレビューのURL]

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