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7点(レビュー数:8人)

作者古谷実

巻数6巻 (完結)

連載誌週刊ヤングマガジン:2008年~ / 講談社

更新時刻 2010-03-10 19:35:18

あらすじ ゆらゆらと−ヒシヒシと−ショボくれた青春を送ってきた岡田君。ビル清掃のバイトしかない、モヤモヤした日々。職場の先輩・安藤さんに相談したけど、逆に片思いのお手伝いをさせられる始末。同時期、岡田君の高校時代の同級生・森田は、抜け出せない深い闇をさまよっていた−。けっして交わってはならない二つの世界!

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ヒメアノ〜ルのレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全8 件

10点 ruminaさん

古谷実作品の中ではダントツに大好きです。話がどんどん繋がっていく爽快感を教えてくれたのはこの作品が初めてだと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2023-04-06 02:51:07] [修正:2023-04-06 02:51:07] [このレビューのURL]

7点 朔太さん

古谷実氏の1993年「稲中卓球部」で、独特のギャグに魅せられて後、
「僕といっしょ」では新風溢れる新しいギャグ漫画が生まれたものと感じました。
人生の底辺にある主人公がくりなすペーソス豊かなギャグ漫画。

しかし、以降、「グリーンヒル」、「ヒミズ」、「シガテラ」、「わにとかげぎす」と、
何も持たない20代の若者を主人公とし、将来に希望が持てない閉塞感と
焦燥を背景に、狂気や宗教、混乱、場合によれば殺人へと発展する展開は
常に共通しています。
ギャグマンガからシリアス路線に転換しつつ、話の展開はほとんど同じ
という類似作品が続きました。
それなりに楽しめるのですが、さすがに同じような話が続くので、
ここでのレビュー評価も、「稲中卓球部」以来
7.53→7.16→6.12→6.8→6.69→6.5→6.57と右肩下がりで低下していきます。
しかし、社会的な問題提議とインパクトがありますので、20年もの間、
それなりに一定の支持が得られたものと思われます。
要するに、本作品も同じ路線の同じ展開ですが、一定のファンに
支えられた感が致します。
私も、その中の一人だったということです。

本作品に限った特徴を言えば、これまでになく絶望の境地にあった
青年が冒頭から登場します。
この青年の精神状態と行動を主軸にしながらも、高校の同級生たち
との絡みで別のドラマを二つ三つ並行させます。
とはいえ、そのドラマはこれまで通りのものを踏襲していますが。
結局、最初から最後まで、狂気をはらんだ青年の異常性を示しながら、
「君にも彼の狂気は理解できるでしょ?ひょっとしたら、君が
彼なのかもね」と問いかけているかのようです。

古谷氏のこの大いなるマンネリパターンは、二つの類型があります。
一つは、常に誰かを守るためだけに生きることを渇望しつつ、
それすら叶わない不幸です。
何も持たない人間に魅力を感じてくれる異性など、本当は世の中には皆無です。
しかし、古谷氏は、この種の不幸には必ず、変人の美女を登場させて
ハッピーエンドを迎えさせます。
そんな現実はほとんどないのにも関わらず。

二つ目は、本作品の主軸でもある生きることに意味を持たない不幸です。
このタイプには、古谷氏は救いを与えません。
与えないというより解決策が見当たらないということでしょうか。

古谷氏のライフワークともいえる同一のテーマに沿った作品群を飽きずに
追いかけた私も、同じような理不尽さや苦しさを全ての人間は実は
感じ取っていて、こうなりたくないと思いつつ生きているのだと考えるのです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-10-30 18:08:43] [修正:2021-10-30 18:11:29] [このレビューのURL]

9点 rokaさん

「こういうふうにしか生きられない」ということの絶望が、古谷実という作家のテーマなのではないかと思っている。
育った環境も幼少期のトラウマも関係なくて、「決まってしまっている」ことは、あるのだ、と。
(余談だが、映画版は、この文脈を逸れてしまったのが、個人的には残念だった。映画の出来はよかったけれど。)
なぜ、そうなってしまうのか。
例えば、人殺しに。
そこに理由がある人もいる。
でも、それが理由なき必然である人もいる。
じゃあ、どうすればいい?
どうしようもない。
だから、絶望なのであって。
そのテーマを「こちら側」から描いたのが「ヒミズ」で、「あちら側」から描いたのが、「ヒメアノ?ル」なのだと思う。
この人の作品は「焼き直し」とよく言われる。
そうかもしれない。
けれど、裏を返せば、古谷実という人は、何度も同じテーマに向き合っている、ということでもあるのではないか。
その姿勢が、僕は嫌いではない。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-06-25 23:26:59] [修正:2017-06-25 23:26:59] [このレビューのURL]

4点 デビルチョコさん

恐ろしい事件は意外にも身近で起きていると思わせるような物語。

つまらなくはないが、最後までストーリーに大きな動きがなかった。
また登場人物達の心理描写も曖昧で最後までストーリーに入り込めなかった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2015-03-11 21:08:12] [修正:2015-03-11 21:08:12] [このレビューのURL]

6点 kikiさん

ダラダラとしたパッとしない現実に、同じような境遇なのに無駄に行動力が
あふれてパッションがある同僚、そこに深い闇を持つ非日常な殺人鬼。
なかなか面白かったです。後半はピーンと緊張して読めました。
それでいて安藤さんパートでは笑わせてもらい、またそれぞれの
哲学や混沌が渦巻いてて興味深かったです。

ただヒロイン(ではないような気もするけど)が岡田君に惚れる理由が
これっぽちも分からないし、最後混沌とさせすぎなのが残念。

「シガテラ」と「わにとかげきす」を読んでないので、もし読んでたら
また同じような設定&内容かよって思ったかもしれません。
他の方のレビューを読むと、前作は読まなくてもいいかと思ったので
読みませんが。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-09-18 18:44:28] [修正:2012-09-18 18:44:28] [このレビューのURL]

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