童夢のレビュー
7点 森エンテスさん
この作品の評価は歴史的な価値にあるのだと思います。
日本SF大賞に輝いた作品であり、この作品の成功が後に『AKIRA』へと続き、『AKIRA』がアニメ化され、海外でのジャパニメーションの確立への道筋を作ったという意味において、非常に日本のマンガ史においての重要な作品です。
説得力のある本格なSFを表現するのに必要な画力がフルに発揮されており、その事が評価されている形は、物語的には大した事ない、一企業による環境破壊が舞台の3D映画『アバター』や使い古された救世主が主人公の『マトリックス』が大ヒットして評価されたのと同様の形です。
誰でも初めて観る映像には目を奪われ、凄いと思う。
時代が変われば「大したことない」と思ったとしても、最初にそのインパクトを与えた功績は絶大だし、評価されるべき部分だと思います。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2010-11-26 00:24:34] [修正:2010-11-26 00:24:34] [このレビューのURL]
6点 Dr.Strangeloveさん
前半はあまり面白くなかったが
後半の超能力バトルは凄い。
ネオ東京崩壊に匹敵する迫真の描写。
AKIRAの原点がここにありますね。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2007-01-29 20:35:47] [修正:2007-01-29 20:35:47] [このレビューのURL]
7点 dollboxさん
超能力SFアクションの傑作。
この作品ってストーリーがあるんだかないんだかって感じで、最初読んだ時はちょっと戸惑った。
しかし、爺さんと少女の超能力バトルが始まった途端、そんなものは吹き飛んでしまいました。
映画でも小説でもない、漫画にしか出来ない演出がバンバン登場します。
漫画表現の革命と言っても過言ではない洗練された描写。
ほんと惚れ惚れします!
絵も構図も影も白もコマ割りも……挙げていけばキリがない、全部すごいです。
特に面白かったのは、心理描写をしない心理描写と言いますか、起こっている出来事をあえて
意図を隠して描いていているシーン。
それが作品に一層恐怖感や奥行きを与えています。
かなり昔に発表された作品らしいですが、現在でもこれだけの演出力をもった作家さんは殆どいないのではないでしょうか?
やっぱり伊達じゃないです、大友克洋!(まあ僕が今さら言うまでもないんですけどね)
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2006-02-18 02:53:58] [修正:2006-02-18 02:53:58] [このレビューのURL]
6点 ガクちゃんさん
著者は映画監督志望で、撮りたかった映画を漫画に置き換えたのだろう。だから題材は実写向きである。大友克洋以前、以降とも表現され、また海外での評価も非常に高いグローバルな大家でありながら、彼の本質は非常にアンダーグラウンド的である。世間が求めるメジャー性を裏切り続け、彼の映画は興行的に成功しているとは言い難い。
本作はそういう世間とのずれがなかった頃の作品。絵のち密さは言うまでもない。この頃の漫画家、アニメーターは中毒になったようにみんな影響を受けた。だから氏のキャラクターから徹底的に距離を置く作風までが奔流になってしまって漫画自体の面白さが半減してしまった罪もある。
あんまりかわいくない少女と中途半端に不気味な老人。リアルに走るとこうなってしまう。白け世代の到達点。絵の凄さで圧倒させるしか表現手法が残されていないのか。読んだ時分、そういう虚しさがあった。
異様な完成度。アニメ映画の「AKIRA」の冒頭シーンを思い出す。完成度を求めて間延びしてしまった。
一度、読み直して再評価したいが、今私の手元にはない。昔友達だった男に貸したままである。その男はアニメ界でカルトな一部ファンに知られる男となった。ますなりこうじという。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-01-17 15:15:42] [修正:2010-01-17 15:15:42] [このレビューのURL]
10点 デビルチョコさん
圧巻な画力と物語の舞台設定。
マンモス団地の事を、徹底的に不気味に描いている。
完璧なまでに「画一」された建物と、「画一」されたコミュニティを守る住人。
まるで何かに強要されているかのように。
この不気味なまでに画一された世界の一端が崩れた時、建物、コミュニティ、そして住人、全てが崩壊していく。
それらの描写とストーリー構成が見事。
日常生活の中で起きる、非日常な出来事を描いている傑作。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2015-08-04 00:27:00] [修正:2015-08-04 00:27:00] [このレビューのURL]
PR