あらすじ 愛って何だろう、同棲って何だろう? 大人になりきれない男たちと、彼らを愛さず... 続きを表示>>
新・同棲時代のレビュー
10点 朔太さん
昨日、波に乗っていたのにもう三十歳?
そんなおとなになったことを実感できない、
オトコとそれに恋するオンナの物語。
代表作「東京ラブストーリ」と同時期に、読み切り作品をシリーズ化した。
パターン化された男女恋愛といえばそうだが、柴門ワールドの原点とも
いえる作品で一見の価値有りでしょう。
<再読追記です。>
10年ぶりに再読しました。
1年に2回のペースの連載だったそうですが、珠玉の短編9作品だと思います。今読み返すと、単なる男女の恋愛話ではないです。
人が生きていく上で、本当に必要だと思えるほどに愛すれば、
嫉妬だとか束縛だとか誤解だとか失意だとか負のマインドが生まれてしまいます。
それが若い時には増幅されがちで、時に致命傷になってしまい、
男女は別れてしまいます。
そんな意味でしょうか、副題にはPeter Pans & Wendies‘ Short Stories とあります。最高の副題だと感心しています。
他にも子供が欲しい自分の気持ち以上にパートーナを
大切にすることを選択した男の話、寛大な自分と信じていた
のに裏切りには寛大ではなかったと気づく女の話、
やり直せると考えるのだがやはり諦めている男女の話、
寂しい自分を認めた瞬間に見つかる恋の話、
互いに支えられてきたことに気付かなかった兄妹の話
と私なりの副題をつけてみました。
男女だけでなく人生のパートナーは誰にとっても大切です。
大切な人との心の機微を表現させれば、
柴門ふみは日本の第一人者でしょう。
30年前の作品ですが、現在に至る間に、この分野を
超えるものどころか、足元に迫る類似作品すら見たことがありません。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-09-05 17:01:56] [修正:2019-09-21 12:14:55] [このレビューのURL]