ホーム > 不明 > 週刊少年サンデーS > 今際の国のアリス

7点(レビュー数:8人)

作者麻生羽呂

巻数18巻 (完結)

連載誌週刊少年サンデーS:2010年~ / 小学館

更新時刻 2011-06-02 06:21:36

あらすじ 有栖(アリス)良平は、パッとしない日常にイラつき、「どこか知らない所へ行きたい」と願う落ちこぼれ高校生。退学した苅部(カルベ)、お調子者の張太(チョータ)といつものようにブラつく夜、突然巨大な花火が空を覆い、3人は別世界へ… やりきれない日常をえぐる、新感覚/異色サスペンス!

備考 「週刊少年サンデーS」と「クラブサンデー」との同時連載。

シェア
Check

今際の国のアリスのレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全8 件

7点 gundam22vさん

[ネタバレあり]

完結後の評価になります。近年増えてるデスゲーム系作品。絵が非常に綺麗なのが印象的。ただオチはやっぱり実はこの世界は作られた系に該当しちゃいましたね(現実との一定のリンクはあるにせよ)。前半はゲームがシンプルながら運動系含めて種類が豊富で緊張感もありました。世界観もビザ期限を用いての時間切れ死亡制度など独特です。群像劇的な番外編で主人公アリス以外の人間を描くのも面白い試み。しかし後半はゲームより哲学的な論戦、作者の主張が出過ぎている感じだったり、主人公アリスがもうゲームには金輪際参加しない宣言から、番外編で本筋に絡まない人間模様を延々と見せられてグダグダしてしまった感が。後半で例外的に面白かったどくぼうゲームの勝者コンビ(今際の国完全肯定)がまさか終盤に全く絡まないとは悪い意味で想像出来ませんでしたし。このオチやるなら全十数巻くらいで番外編をもっとカットして主人公アリス(とヒロインウサギ)の物語に集中させスムーズに終わった方が良かったのではないかと(一貫してアリスが地頭良い程度のチート感ない主人公でウサギがかわいい運動系ヒロインなのは良かったが)。ただ後半の欠点を考慮しても、近年のデスゲーム漫画ではかなりの良作だったと思います。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-05-24 20:11:45] [修正:2016-05-24 20:11:45] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

私が福本作品や『ライアー・ゲーム』や『嘘喰い』なんかを嫌うのは、自分の欲望からそういう馬鹿げたゲームに入っていることなんだよ。
勝ったら莫大な富を得るという、どうでもいいことで大事なものを賭けるという、ギャンブル物なんだよな。
『今際の国のアリス』はそこが違うわけ。「生きる」という当たり前に与えられた命を、生きるために投げ出さなければならない。
つまり、生きるとは死ぬことである、という死生観を彷彿とさせる作品なんだな。

もちろん先鞭がつけられた構造で、理不尽に攫われて命懸けのゲームをさせられるということは既に多々在るんだよ。しかしそういう既存の作品との違いは、登場人物たちがその中でただ生き延びるだけではない、崇高さというものを見せてくれる点にあるんだな。
人間の弱さが前提としてあり、そこから不信も不安も広がっていく。しかし、だからこそ、闘おうとする者たちが生まれてくる。
これは人類がこの世界の理不尽と闘い続けてきた歴史そのものなんだよ。
我々はこの世界に放り出されたような存在なわけ。そして否応無く理不尽と闘わなければいけない。

実はこの我々の世界と、あのアリスたちの世界はまったく同じものなんだよ。
生きるために何事かをしなければいけない。それには仲間と協力しなければいけない。力を得なければいけない。
それを拒絶すれば、あのレーザーのように、自分の死を迎えるしかないんだよ。
欲望でギャンブルをするというものとは、一線を画する作品なんだよな。
あのビーチが都市や国の形成を示すことはわかるな。いろんな人間たちが集まって、一つの規律によって仲間となっている。
そして宗教も生ずるわけだ。
規律というものが大きな集団を形成し、夢というものが大きな力を創造する。
そしてそれを破壊する力もまた現れてくる。

生きるとは何なのか。死ぬとは何なのか。それを眼前に見せ付けてくれることがあの作品の醍醐味なんだよな。
そしてそれは、自分のために生きることではない、という結論が最初から一貫している、ということだな。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2018-08-10 11:20:41] [修正:2018-08-10 11:20:41] [このレビューのURL]

7点 フィロさん

絵が一貫して綺麗で、読みやすいデスゲーム物です。

デスゲームだけあって、人が死ぬ場面も多いのですが、どことなくゲームの設定が人の心理の裏をついたような物も多く、読んでいて単純に「先が気になる」。
そうきたか、と意表をつかれた結果も多く、なかなかスリリングでした。

終盤は哲学というか精神世界のお話になってしまい、それまでのゲームで見られた主人公が知恵を振り絞ってクリアを目指す面白さがなくなってしまったので勿体ない気もします。

読み終わったあと、残るような影響はないけど、間違いなく、ハラハラしながら夢中で読める面白い漫画です。もっと知名度があってもいいと思う、まとまった出来の作品です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-03-23 19:32:11] [修正:2017-03-23 19:33:49] [このレビューのURL]

7点 kaineさん

最近この手の作品が多く、やや食傷気味だったのですが、この作品は白眉。久々に見応えのあるデスゲーム漫画ですね。

本作の長所は策を読み合う頭脳戦や文字通りの殺し合いになるサバイバル、あるいは人間性が試される心理戦など、様々な趣向が用意されていて飽きさせないところですね。
名作「銀と金」に近い味わいがあるかもしれません。

各ゲームに具体的なジャンルと難易度を設定しているのも、ありそうでなかったシステムで面白い。

また主人公アリスが関わる話だけでなく、主観の違う番外編が度々挿入されるのも秀逸なアクセントになっています。
チシヤがいいキャラですね。

まだ完結していないのでとりあえず7点。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-11-09 09:44:02] [修正:2015-11-09 09:45:37] [このレビューのURL]

7点 kikiさん

最近読んだ中では断トツに面白いデスゲーム。
なぜこんな今際の国が存在するのか?などの謎は「不思議の国のアリスがモチーフだから夢オチじゃないの?」と思っているし、こういう謎の答えって面白かったためしがないので正直どうでもいいのですが、それぞれのゲームがかなり面白いと思います。

生きるか死ぬかの逼迫したゲームでそれぞれがいい人でいようとしたり、人を貶めようとしたり、逃げの姿勢になったりがよく描けているし。
またゲームの種類を参加者達が協力して解決するのもあれば、生き残りは1人だけだから足のひっぱりあいをしたり、頭を使うゲームだったりでバラエティに富んでいる所がいいと思います。

主人公のアリスだけだとなんだか青臭いけど、様々な人物を主役にして主人公がでてこないゲームがあったりして様々なゲームや生き様考え方を表現しているのも面白いです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-09-17 02:07:14] [修正:2015-09-17 02:07:14] [このレビューのURL]

PR


<<前の10件
12

今際の国のアリスと同じ作者の漫画

麻生羽呂の情報をもっと見る

同年代の漫画

週刊少年サンデーSの情報をもっと見る