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6.5点(レビュー数:2人)

作者望月峯太郎

原作山本周五郎

巻数4巻 (完結)

連載誌ビッグコミックスピリッツ:2012年~ / 小学館

更新時刻 2013-05-21 12:28:23

あらすじ 火事で両親と店を失ってしまった大工の若棟梁の茂次が自分も財政が苦しい中、同じように焼け出された孤児たちをひきとる。父親の「大切なものは人情と意地」という言葉を胸に、誰の力もかりずに店を再建しようと奮闘する。

備考 時代小説「ちいさこべ」を舞台を現代に置き換えて漫画化した物。望月ミネタロウ名義で発表。隔週連載。

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ちいさこべえのレビュー

点数別:
1件~ 2件を表示/全2 件

8点 二軍Tシャツさん

[ネタバレあり]

完結後のレビューです。
ドラゴンヘッド、座敷女などで有名な望月ミネタロウさんの作品。
今作自体は「万祝」や前作「東京怪童」などの流れを汲んだ人間模様を描くある意味で「単調」な作品となっており、私個人としては大好物な作品でした。

原作は未読なのでどの程度原作に沿った展開、設定であるのかは分かりませんが、作者なりに現代版にアレンジし、各キャラクターの個性をこれでもかという程に描き切っている様は見事としか言い様がありません。
キャラクター独特の言葉遣いもそうですが、恐らく原作には無いであろう「所持品」「ファッション」の中にまでキャラの個性が見て取れるこだわりっぷり、妙にリアリティがある世界観が大変良いです。

この手の作品というのは暗黙の了解的に「絶対的に悪い人間が登場しない」のが常でありまして、各キャラクター間での微妙な意識や好意のズレから生じる人間関係における問題を如何にして描き、如何にして収束させるのかが作品の善し悪しを決するように思えますが、この点に至ってこの作品は素晴らしいの一言でした。

以下軽くネタバレですが気になったところ。

四巻の表紙にもあるように、最終的に結ばれる茂次とりつですが、案外急展開で結ばれます。個人的にはもう少しこの世界観に浸っていたかったという感じ(東京怪童のときもそうだったなぁ)。また二人が結ばれるきっかけとして「キク君」という中学男子の言動が関係してくるのですが、「いやらしい目で見られていると思ったら母親を求めていた」というオチにちょっとした強引さを感じずにはいられませんでした。
「いやいや流石にあれは中学男子に見られるエロ目線のアレだろ?」と。
そんなこんなでもう一度読み返としてみたのですが、二巻、大工の一人「クロ」が「りつ」に軽く言い寄り、その後キク君に靴を隠されるあのシーン。
最初読んだときは単純に「自分の好きなりつに言い寄るクロへの制裁」が主な理由かと思いましたが、恐らくこれはミスリーディングであり(?)、その前のシーンで「(りつから貰った服に対して)ダッセえTシャツ着てんな」と言われていることなどからも、確かに単純に「母親としてのりつ」を意識した結果の行動とも見て取ることが出来ます。流石でした。

ただ、ちょっと「りつ」をいやらしい目線で描いたコマが多すぎるかな。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-05-09 22:08:37] [修正:2015-05-09 22:24:57] [このレビューのURL]

5点 kikiさん

火事で両親が営む工務店と両親を一度に亡くした大工の若棟梁が、孤児たちを引き取って育児と店の再建に悪戦苦闘する物語。

やはり時代設定を平成の世にすると孤児たちの引き取りに無理が生じるような気がしますし、両親亡くなってるのに全く子供である自分が全く駆けつけないのも不自然。
昔ならありだったでしょうけど。

今のところまだ1巻しか読んでないので、話が転がり始めたばかりなんだけど、主人公達の考えが見えにくいし、淡々をした感じがして話にグッと引き込まれないです。

画的には線がよりすっきりして、また映画のような色々な効果を入れて読みやすくなってます。

オチは山本周五郎氏の原作があるから大丈夫…かな。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2013-05-21 12:40:04] [修正:2013-05-21 12:40:04] [このレビューのURL]


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