「トト」さんのページ

総レビュー数: 201レビュー(全て表示) 最終投稿: 2008年11月25日

羅川真里茂が本気で取り組んだ同性愛漫画。
正直ここまで真正面から書かれると頭が下がります。

確かに同性愛をテーマにしているということで、そういったシーンも多い。
しかしこの作品は、ヤオイ的作品と一線をがし、同性愛者とどう向き合うかを真剣に描いてくれています。

自分に偏見はない、などと思っていても、実際にその場になるとどのように接すればよいかわからない、ということは多いと思います。
気を使わな過ぎるのも礼儀に反するし、気を使いすぎるのも逆差別となる可能性がある。
この作品はその難しい答えの一例を提供しているように思います。


ただ唯一の難点はエピソード?の話の必要性がまったく感じないこと。
それまでのストーリーとはここだけまったく違い、全体から見ると完全に浮いてしまっている。
「赤ちゃんと僕」の時と一緒で、無理やりエンディングへつなげるために事件を起こしたようにしか見えない。
ここに話数を割くのではなく、最後のエピソード?をもっとがんばって欲しかったな。

そういう意味でこの点数しかつけられないが、この漫画はもっと高く評価されるべきものだと思う。
ぜひ皆さんに読んでほしい作品です。


ちなみにこの本を読む上でのBGMとしては、フランク・シナトラの「NewYork NewYork」よりか、ミュージカルRENTの「Seasons of Love」が個人的にはオススメ。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-03-21 19:37:59] [修正:2009-03-21 19:37:59] [このレビューのURL]