「鶴」さんのページ

総レビュー数: 7レビュー(全て表示) 最終投稿: 2014年09月27日

『乙女ゲームのような世界観を漫画に持ってきた作品』

評価:設定を並べている。

レビューなどでそこそこ評価が高かったので読んでみました。


おそらく、きちんとプロットを練っていなかったのだろうなというのが読み終わったときの印象。
強いて言うならば、序破急に近い構成だったけれど、
伏線と回収の書く前の段階できちんと決めておけば、
このような急展開は起こらなかったと思います。


そもそも伏線らしい伏線がありませんでした。
ただ展開と結末だけがあり、そこに理不尽さを感じます。
あるいは後から面白いと思って付け足してみたけれど、
うまく回収できなかったのかもしれません。
それが編集の意志なのか作者の意志なのかは知りようがありませんが、
読者としてはただただ残念でした。


エピソードのアイデア、着眼点は今の流行に則ったものだと思いますし、
女の子の心を掴む『萌え』があると思います。
これからは箱書きを作って、物語の流れ、どこにどの程度のページ数を割くか、ターニングポイントになるのはどこなのか、等の要素をまとめてから描き始めて欲しいですね。


世界観の設定など突っ込みたい箇所はいくらでもあるのですが、その辺りは好みもありますので割愛。
ただ最後にひとつ付け足すとすれば、人間に対して背景が雑でした。
ファンタジーってそこも楽しみな要素なので……やはり勿体ない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-10-14 08:32:09] [修正:2014-10-14 08:32:09] [このレビューのURL]

10点 BASARA

『完成している作品だからこそ、あまり語ることがありません』

評価:出会えて良かった。


この物語はふたりがお互いの立場・運命を知り、それを超えてからが見どころです。
とても20年も前の作品とは思えません。
よくある設定かもしれませんが、それは今になってからの話です。
そしてその今になって読んでも、色褪せない作品です。

完成している作品だからこそ、あまり語ることがありません。

ここがよかったよね! あそこは燃えた!
そんな話ならいくらでもできるのですが……
ううむ、困りました。

でも、大好きです。

※田村由美の作品は『BASARA』→『シカゴ』→『巴がゆく!』→『7SEEDS』→『猫mix幻奇譚とらじ』→『ぼくら村には湖があった』の順番で手に取りました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-10-13 22:51:54] [修正:2014-10-13 22:51:54] [このレビューのURL]

10点 7SEEDS


『絵が嫌いならばこそ、ぜひ手にとって見て欲しい作品です』

評価:一生手元において置きたい作品の中のひとつ

この作品の最大のポイントは、少女漫画でありながら、グロ描写があることでも、SFであることでも、サバイバルであることでもありません。

群集劇でありながら、ひとりひとりの心理描写を丁寧に描いていることです。

たしかに舞台設定も非常に面白いのですが、読めば読むほど上記のポイントは、キャラクター、心情あるいは信念とでも言うのでしょうか。そういうものを表現するためのツールに思えてきます。

あくまでも一個人の意見ではありますが、それくらい、心理描写=成長=生きるということに重きをおいている作品だと思っていただけると幸いです。
(これは田村由美の他作品も同じかと)

このポイントは群集劇が苦手な人からすれば、視点が定まらず不安定な作品ということになりますが、好きな人からすればたまりません。

正直、田村由美に多大に影響を受けている私でも、絵はあまりうまくないと思います。最初は苦手でした。
けれど途中で絵の上手い下手が気にならなくなりました。
途中でむしろこの絵でなければこれほどの激しい感情を抱くことはないだろうと気が付きました。

この作品は好きになるにしても嫌いになるにしても、普段はそう出てこないような激しい感情を掘り起こしてくれるものです。

もし退屈でたまらないのであれば、この絵に嫌悪感を抱くのならば、ぜひ手にとってみてください。
どんな感想を抱くかはわかりませんが、少なくとも退屈はしないことでしょう。
(おすすめはまとめ読みですが、そこはここにお任せいたします)


※田村由美の作品は『BASARA』→『シカゴ』→『巴がゆく!』→『7SEEDS』→『猫mix幻奇譚とらじ』の順番で手に取りました。

※間違いなく自分の人生に影響を与えたので点数を変更。
9→10

ナイスレビュー: 1

[投稿:2014-09-27 20:06:04] [修正:2014-10-13 22:39:21] [このレビューのURL]

『田村由美さんの感性がむき出しになった短編作品集』


評価:どの話も『ときめき』がある。


短編作品集です。
一読して、荒削りな印象を受けました。
けれどどの話にも必ずハッとして、手が止まるページがありました。
いっぱいときめきたいとき、刺激を受けたいとき、
私はこの本を手に取ります。


※田村由美の作品は『BASARA』→『シカゴ』→『巴がゆく!』→『7SEEDS』→『猫mix幻奇譚とらじ』→『ぼくらの村には湖があった』の順番で手に取りました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-10-13 22:34:27] [修正:2014-10-13 22:34:27] [このレビューのURL]

6点 シカゴ

『7SEEDSの前身かもしれない』

評価:何度も読み返して、その後の物語を妄想してしまう作品。

よくまとまっていますし、脇役も含めなキャラクターたちが生き生きと描かれた作品でした。
ただまとまってはいますが、『プロローグ』のような作品です。
ここからまた新たな物語があるのだろうと、わくわくするような末恐ろしいような……。


ふと思うことは、もしかしてこの後に『7SEEDS』が続くのではないかな。
ということです。
もちろんただの妄想なのですが、
気が付くとそんな風にその後を考えてしまう作品でした。
そして何度も読み返す。


※田村由美の作品は『BASARA』→『シカゴ』→『巴がゆく!』→『7SEEDS』→『猫mix幻奇譚とらじ』の順番で手に取りました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-10-13 22:28:46] [修正:2014-10-13 22:28:46] [このレビューのURL]


『1ページにときめく作品』

評価:田村由美の軌跡。成長の跡。

私が書きたいことはほとんど既に書かれているのですが、
いくつか私の言葉でも感想を失礼いたします。

こちらの作品ではいろんな形の『主従』が描かれています。
伊織と巴。
月子とシドニー。
静と海。
東条夫人と司。
教官と生徒である氷室と巴の関係もある種の『主従』と言うのであれば、
ほとんどの人物関係が主従、対立で説明できる作品でした。

そういう視点から言えばまとまりがある作品なのです。
しかし最近の田村由美作品に比べてストーリーのまとまりはありません。
終着点もぼんやりとした印象を受けます。

そんな中に田村由美のセンスや鋭い人間の描き方が
埋もれている作品です。

その一瞬にときめきを感じます。
その一瞬が、その後の田村由美作品に生きていきます。
その一瞬に、一見の価値はありました。


※田村由美の作品は『BASARA』→『シカゴ』→『巴がゆく!』→『7SEEDS』→『猫mix幻奇譚とらじ』の順番で手に取りました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-10-13 22:15:13] [修正:2014-10-13 22:15:13] [このレビューのURL]


『7SEEDSよりも人にすすめたい作品』

評価:何度も何度も読み返したい。手元においておきたい作品

そもそも、ここに登録したのがこの作品を紹介したいがためです。
なにをおすすめしたいのか……と言われると、とにかく『癒される』ということ。
どんなに面白くても、疲れる漫画ってありますよね。
むしろ内容が良ければ良いほど深ければ深いほど、自分も一緒に体験しているような感覚になって、どうしても読んだ後に良くも悪くも疲労感が残るというような。


それに対してこれは、深さもあるけれど、疲れない。名作児童文学のような感じ。ほどよくファンタジーで、可愛くて、けれど芯はしっかりある。そんな作品です。
ちなみに私は猫は大嫌いです。
それでも癒やされました。なのでその点にもびっくりしています。


発売ペースがゆっくりなのが残念なのですが、だからこそゆっくりゆっくり世界観に浸っていける。
そう前向きにとらえられる作品でもあります。


※田村由美の作品は『BASARA』→『シカゴ』→『巴がゆく!』→『7SEEDS』→『猫mix幻奇譚とらじ』の順番で手に取りました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2014-09-27 20:21:56] [修正:2014-09-27 20:21:56] [このレビューのURL]