「トニーモンタナ」さんのページ

総レビュー数: 471レビュー(全て表示) 最終投稿: 2014年10月28日

今までの弐瓶作品に比べると全編白の色調。白銀の世界でで巨大構造物も少ないです。

スケールのでかい景観の描写、パース構図、消失点の設置とか圧倒されます。つむぎみたいな鎧のデザインもカッコイイです。
「BLAME!」は縦の広さ、「人形の国」は横の広さは的確な言い回しですね。空間の奥行を利用した一騎打ちは西部劇のルック。

ヘルグス粒子や超構造体などお馴染みのワードも横行してます。時空隙に迷い込んだのか。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2020-04-05 21:28:17] [修正:2020-04-05 21:28:17] [このレビューのURL]

作者が藝大出身らしいのでデッサンだったり、構図取りが上手です。ページに奥行を形成したり、空間の出現が鮮やかです。
ただただリアルなデッサンだけじゃく、キャンバスのような矩形のコマ構成、反自然的なフィクションとしての陰影の効果も生み出してます。

天才と凡人、夢と空虚などの対比を人物の位置や光と影の明暗で描いてます。トーンが水彩っぽいタッチで新しいし、心情と合致してます。
主人公が成長するときや変化するときは光が差すんですが、視覚的戦略が天晴です。

「桐島、部活やめるってよ」の宏樹が夢を見つけられた話って例えてる人がいてなるほどおと膝を打ちました。的確に言い表してるなと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2020-04-05 19:52:56] [修正:2020-04-05 19:52:56] [このレビューのURL]

障壁を超える純愛としても読めますが、条例や束縛に反発した恋の形而上学的な観点としても深い作品だと思います。
知人の変態に恋が芽生えるのはストックホルム症候群じゃないかと疑うところは笑いました。

ヤマシタトモコ作品らしい漫画的作為性や機知は極力排していて、ギャグや会話にギアをシフトしています。ジャンルで手法を変える柔軟性や融通さに長けてます。

絵のデフォルメというか内面のデフォルメが巧いです。ギャグとして現実離れしたり、規範が逸脱したり、インモラルな展開になってもデフォルメで緩和させる平衡感覚が高いです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2020-04-05 19:04:42] [修正:2020-04-05 19:04:42] [このレビューのURL]

手の描写、末端の描写による間接的なフレキシブルな感情の描き方が流麗です。手を握ったり、腕まくりした腕など手の描き方のフェチズムの濃厚さ。

淡白な背景の中のシンプルなモノローグは直通で刺さります。言葉の切れ味も鋭いし、余白の挟み方も目を見張ります。

エレベーターや扉の境界とか漫画でしか描けない舞台装置がエフェクトとしてよく作用してます。主人公のバレエと絡めた恋の飛躍の描き方も良いです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2020-04-05 18:27:40] [修正:2020-04-05 18:27:40] [このレビューのURL]

新装版も最近出ましたが、洗練されたコマ作りを堪能できます。

人物の閉塞感とリンクした柵とか格子とか視覚と内面が呼応するのはドイツ表現主義かってくらいの画面の演出が冴え渡っています。
アパートや階段の高低差を使った物理的な距離の描き方も惚れ惚れします。家屋の造りで関係性を明確化するって溝口健二映画みたいです。

恋愛による赦しや救いも感動します。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2020-04-05 18:02:08] [修正:2020-04-05 18:02:08] [このレビューのURL]

むず痒すぎて湿疹が出てきそうな恋愛漫画。不整脈になりそうなくらい胸キュンします。

一挙手一投足に意味があって、漫画的記号になってます。恋の視線や手を握る動作の反復が物語を重層的にしてます。踏み込むのを躊躇ったり、逡巡の描写が絶妙です。
無駄なセリフは徹底的に排除して、振り返る、振り返らないとかで恋の作劇になっていて合理的な演出に唸ります。

「たそがれメモランダム」といい日常の断片的な切り取り方、掬い取り方がデリケートです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2020-04-05 17:33:07] [修正:2020-04-05 17:33:07] [このレビューのURL]

思春期の自意識の拡大や世界への絶望や悲観を銃で比喩するっていう「タクシードライバー」のトラヴィスを女子高生にして6人に分身させたような作品。
ブレッソンの「たぶん悪魔が」、中村文則の「銃」も思い出しました。

枠線やアングルを傾角にしたりして斬新でモダンな演出がゾクゾクします。思春期のヒステリックな焦燥や苛立ちとして奉仕してます。少女漫画から新しい方法が胎生されるっていうのを痛感します。

白黒なのに色彩豊かな色の感覚が豊かです。デジタルで無機的な体裁なのに叙情的でセンチメンタルなんですよね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2020-04-05 16:45:05] [修正:2020-04-05 16:45:05] [このレビューのURL]

筆のタッチが画面の迫真性が上げてます。

「勉強部屋」のシニカルな不条理劇、「空気の娘」のアクロバティックな自由度の高いコマ割りも愉快です。
表題のノスタルジーとSFの融合も沁みます。時間の分節や活劇感が楽しいです。

「映画は外界を作り手の内面をとおしてのぞく」、「マンガは作品から作者の内面をのぞく」の記述が興味深かったです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2020-04-05 16:28:41] [修正:2020-04-05 16:29:16] [このレビューのURL]

世間体や社会的評価、自分を虚飾している人物が外面や偽りを捨てるのが共通している。自己評価が社会や他者基準だったのが、自分の基準に変遷していくのがグッときました。

「おやゆびひめ」なんかはSNS上の自己顕示欲の肥大っていう現代的なテーマを描いてます。

「レバニラ」もセックスと自尊心を絡めていて良かったです。男性器と女性器の違いは澁澤龍彦も言ってました。

「つなぐ夜」は光と影の演出や心象風景とかが特段よく出来てます。これは突出してコマ割り、行間など技巧的になってます。自己を受け入れるラストも印象強いです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2020-04-04 19:14:31] [修正:2020-04-05 16:14:24] [このレビューのURL]

好きな作家さんなんですが登録されていなかったので登録しました。

デジタル加工されてるのかトーンワークの種類が豊富で、心情にも即しています。
土手や星空、雪など風景の情景描写としての描き方が秀逸だし、恍惚するくらいの風景描写です。心情のプロジェクターとして見事に機能してます。

表題作は大好きです。心に傷を負ったもの同士の浄化や治癒は感傷的になります。寒い日の夜ととかに読むと保温してくれそうな優しさがあります。
「ギャラクシー邂逅」、「わたしのニュータウン」も好きですが、二人の世界というか相補的な関係が一貫してます。

モノローグもポエティックだし、詩集出してほしいです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2020-04-05 16:10:58] [修正:2020-04-05 16:10:58] [このレビューのURL]