「なめくぢ」さんのページ

総レビュー数: 6レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年04月08日

富樫は天才だ。断言してもいい。

キャラの存在感とか、超綿密に作りこまれたシナリオだとか、
良いところを挙げればキリがないが、
この漫画における最大の長所は「世界観の広さ」だと思う。
話の本筋以外の様々な要素を組み込むことで、
主人公の物語を描きつつも、その世界のどこかで別の物語が
展開されていることを読者に想像させる。
つまりこの作品は、「広い世界」を内包しているのだ。
これは多分、彼にしかできないこと。

やはり富樫は天才だ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-08-01 13:36:53] [修正:2007-08-01 13:36:53] [このレビューのURL]

この作品は恋愛を絶対的な価値をもつものとして扱う。
それはもはや「信仰」と呼べるほどに美化されている。
それ故に、話の軸は決してズレない。
しかし、作者が恋愛を過大評価しすぎるために、
登場人物はあまりにも独善的になってしまう。
「この漫画が泣けない」という人は
そこに非現実性を感じるのかも知れない。

たった一人のために全てを放り出せることは、
現実にはまず有り得ないことだ。
それをわかっているからこそ、
ちせとシュウジはどこか美しく見える。

恋愛をしている人にはお薦めの本。
是非、幻想に溺れてください。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-05-19 16:37:24] [修正:2007-05-19 16:37:24] [このレビューのURL]

この作品の作者は野球を知っている。
それ故にグラウンドで実際にプレーをする
選手達の心理を子細に描写できている。
この作者はむしろ知りすぎているのかもしれない。
かけ引きを濃密に描くがあまり、スポーツ漫画における
大事な要素であるスピード感を失った。
更に痛いのは、どうしても登場人物が多くなるスポーツ物を描く上で、描き分けることが出来ていないこと。
「こいつとあいつの区別がつかねぇ」
ってこともあるかもしれない。

斬新な野球漫画だし、夢中になって読むことも出来るが、
例えば「アイシールド21」のように
爽快感をひたすら追求した漫画とは対極に位置する漫画。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-05-09 19:03:15] [修正:2007-05-09 19:03:15] [このレビューのURL]

緻密さの欠片もない、センスにまかせた作品。
他のギャグマンガとはあらゆる意味で異次元。
うすたは力を抜く(もとい手を抜く)ことを知っているためか、
ネタも割と高い水準でまとまっている。

その画風とは裏腹に、うすたの漫画は
かなり特異な世界を形成するので、好き嫌いはあると思うが、
ハマったときの威力は抜群。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-04-29 12:32:18] [修正:2007-04-29 12:32:18] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

「吸血」とは「必要とすること、必要とされること」であり、
「愛」の象徴であったと思う。

雰囲気ばかり特筆されがちな冬目作品の中で、
深さを伴った最高傑作。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-04-24 18:07:23] [修正:2007-04-24 18:07:23] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

「主人公が努力のみで成長していく」
ことを一貫して描けていたことは素晴らしいが、
それ故に、主人公がサッカー選手の息子である
という設定は無駄といっていい。
その他、サッカーの描写が若干エスカレート気味で
中学生離れしている点や、
「主人公にはサッカーに関して特別な才能はない」
という設定上、ご都合主義的にならざるを得なかった点は
個人的には減点対象。

悪いところばかりあげてきたけど、
絵も丁寧、キャラもしっかり立ってる、
ストーリーも割と王道。
優等生的な漫画であると思う。



ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-04-08 14:36:11] [修正:2007-04-08 14:36:11] [このレビューのURL]