「夜、テレスドン。」さんのページ

総レビュー数: 37レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年06月13日

魔夜峰央の絵を「典型的な少女漫画の絵」として見る人は多いだろうが
やっぱり男だけあって他の女性作家にはない色艶のある絵になってる。
ところが↓でも書かれていられるように、そういう美意識がスパッと抜けてるんですね、この漫画。
あの妖しい美少年と黒ベタ背景の、凄みのあるコマは何処!って感じで。

でもトラウマと貧乏神の間抜けな掛け合いが楽しいから、それはそれで良いんです。

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[投稿:2007-09-15 02:18:36] [修正:2007-09-15 02:18:36] [このレビューのURL]

9点 猟奇王

川崎ゆきおと言えば、まずその絵の下手さに意識がいくだろう。
単行本「悪いやつほどよく走る」の蛭子能収の後書きによれば川崎ゆきおは
「ひざの上にイラストボードや製図版を乗せて背もたれで、そり身でバランスをとって描いている」そうで
そりゃあ線もヨレるわってことで、しかし、そのヨレが「世と対峙できない」という
川崎のテーマと合っていて実に・・・と言いたいがコマの中の黒が占める面積が
特に初期になればなるほど多く、繊細と言うよりは、むしろ堂々として見える。
しかし「世と対峙できない」ことを、そう堂々と下手な絵で表現してるとこが
情けなくって、そこに読んでいて惹きつけられるんだよな。
まあ下手とは書いてますが、個人的には好きな絵柄です。
長井勝一氏も、「下手なんだけど郷愁をさそう。そこに引っかかった。」
と後のインタビューで語ってます。

4ページ程度の幼少のイメージを描いたと言う短編シリーズは、直接的な暗さに、その「黒」が生きてる。暗い。
やはり根本には、とてつもなく大きな負の感情があるんだろう。つげ忠男好きらしいし。

ああ、私も猟奇王みたいに日がな茶をすすりながら最中を食いつつボヤきたい。

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[投稿:2007-09-05 01:28:06] [修正:2007-09-05 01:28:06] [このレビューのURL]