「夜、テレスドン。」さんのページ

総レビュー数: 37レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年06月13日

植物で出来た同じ顔の二人の女(性が女である必要はない)を宇宙船の中で空腹に耐えれず食う男。

黒手塚好きとしては、このへんが見所です。なんたる倒錯ぶり。
児童向け故にサラリと済まされてるのも、何か含みがありそうで逆に良い!
とか好意的な解釈なんかもしちゃいます。
あと二人はアダムとイブに、みたいなラストで「夫婦」ではなく「兄妹」になる
ってのも上と同じく児童への配慮なんでしょうが逆に歪んでますよね。

手塚節全開の「アンハッピーな結末〜これは劇画のはしりだと思いますし」って後書きも最高。


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[投稿:2007-12-27 00:54:56] [修正:2007-12-27 00:54:56] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

この本を、まんだらけで見つけたとき私は、心の中で笑い転げていた。

倉多江美と言えば、最初に買った単行本は「一万十秒物語」であり
ブラックジョークをブラックジョークと感じさせないほど飄々とした
その乾いた線と空気に一発ではまり
「一万十秒物語・2、3巻」「エスの解放」(傑作)「樹の実草の実」「ドーバー越えて」「宇宙を作るオトコ」
と買い集めていき、次に手をつけたのが本作である。

「なぜ育児?」とニヤつきながら表紙を見てみると
ほっぺたを膨らませた女の子が「プッ」と顔を赤くさせている。タイトルの上には「まんが 安心育児」。
一番下には「指導 愛育会総合母子保健センター保険指導部長 高橋悦二郎 先生ほか」、長い。

駕籠真太郎が「健康の設計」という、表紙がなんとなく真面目なような作りで
結局、中身はいつも通りの駕籠テイストな単行本を出しているが
そういう冗談的な意味を持たせているのではなしに、どうも本格的な気がする。
下の、やたら長い「〜先生ほか」とか。なんたって天下の小学館だし。

と言うわけで「これは買わねばなるまいて!」で即効レジへ。
開いてみると予想通り。可愛い娘に振り回される専業主婦と、まわりのドタバタ。
至って普通の育児マンガ。しかもオマケに真面目な文章まで書いている。エラい!
マンガ4ページで文章2ページという構成。

なぜ、このようなマンガを描こうと思い立ったのかは分からないが
まあマンガとしてはありふれた物になってはいるものの、絵のセンスが良いので苦もなく読めた。

倉多江美は変わった人だ。

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[投稿:2007-06-16 22:29:21] [修正:2007-06-16 22:29:21] [このレビューのURL]