「夜、テレスドン。」さんのページ

総レビュー数: 37レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年06月13日

特撮のコミカライズです。楳図かずお版ウルトラマンも異様でしたけど、これもキてます。
特撮のタロウは重い脚本が売りの初期ウルトラシリーズとは違い、多少毒のある回はあるものの
主演の篠田三郎さんのまぶしい笑顔が素敵な番組でした。(シルバー仮面では鬱々としてたなあ)
そんな楽しいテレビは全く無視して暴れる賢ちゃんも素敵です。

曰く怪獣とタロウは、ある者の意志により造られたものであり兄弟である・・・など。
加えて残虐描写、神と悪魔が云々、と自分がやりたいことをやってるだけの漫画版タロウ。いいです。

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[投稿:2008-07-19 00:28:27] [修正:2008-07-19 00:28:27] [このレビューのURL]

お色気ありのアナーキーで何でもありのギャグ漫画。なんだけど1〜4巻までは別物。
大胆な暴力シーンの連発や果てはヒロインの菊ちゃんが精神世界をさ迷い、神だ悪魔だとデビルマンに通ずるような話も。

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[投稿:2008-07-18 23:08:21] [修正:2008-07-18 23:08:21] [このレビューのURL]

「みんな大好き丸尾末広」って感じで、その筋の人間なら誰もが知ってる基本的な漫画家。

私も高校二年生の時分に初めて「薔薇色の怪物」を読み
歪んだ性、見世物小屋、奇形、暴力、血、焦燥……などの要素が
本来相容れるはずの「情念」を排除した、感情を失ったコマで表されており(よく言われる「一枚絵」)
その映画や文学からのパロディ的な要素も含めての「コラージュ性」に心から酔っていた。

と、これは当時の話で今改めて読んでみると、また違った思いが出てくる。
若い感性では刺激が強かっただろうなあ、と冷静にページをめくる自分がいる。
そしてフト気づいたのは「丸尾末広は本気で描いていないのでは?」。

寺山修司的な要素、澁澤(「血と薔薇」とか)、映画ではカリガリ博士はじめ様々の影響。
そのあまりに露骨な「好きもん」さが、どうも引っかかる。

多分、マンガを描くときにニヤニヤ笑いながら描いているような気がする。
ファンが想像するような、例えば江戸川乱歩なら
「暗い土蔵の中で蝋燭の灯だけで作品を書いている」
という真面目な姿勢とは違うんじゃないか。(乱歩のもファンサービスだけど)。
「お前らが絶対好きそうなやつ描くから、ソラあつまれー!」みたいに思っちゃうんだよなあ。
丸尾本人は、それ系のコレクターらしいので好きなのは間違いないだろうけど。

で、コレに収録されてる「腐れオメコにDDT」を読むと納得できた。
いつもどおりの眼帯つけた学生服の美少年が出てきて
ボットン便所の中に落ちたりするのだが、描かれている内容は

最近休憩時間は女子便所で落書をしている、油性細字が最適。
絵が上手いから(星飛雄馬の模写)わざとヘタクソに描かないとバレる。
結局バレ「出て来い お前はB組の丸尾だろう わかってるんだ」
と教師にドアを叩かれ
逃げ場がないから便器の底へ落ちる。

初めて読んだときは勢いで「う〜んカッコイイ!」なんて思ったが、バカな話である。
他の作品内では自分のイメージを崇高なまでに高めておいて
それを卑下してしまうという、メタなギャグ。
ああ、やっぱりそういう感覚の人なんだなあと分かる。
更に最後のページに「正しいエロ漫画の描き方」というコマまで用意してあり

?,△泙螻┐?うまくない事?▲螢▲襪任△襪海鉢F鐡?であること
?ぅ好函璽蝓爾?なければ納得しないようなアホな読者の為に
取ってつけたようなストーリーでもちゃんとつけておく

ますます自分の描いてることがちゃんと分かってるような様子で面白い。
「良い漫画家例」で福原秀美と書いてて皮肉ってるのも楽しい。

あとまだ言いたいことがある。
よく「高畠華宵まんまの顔」と言われるが
絵の下手さ(この頃は上手いとは思えない)と合わさってか
しっかり「丸尾末広の絵」になっている。

捻くれた感想になったが、昔ほど熱狂して読めなくはなったものの
なんだかんだで、やっぱいいよなあ、とシミジミ読める丸尾マンガ。

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[投稿:2007-06-21 00:07:45] [修正:2007-06-21 00:07:45] [このレビューのURL]

多分、安田弘之は佐伯俊男が好きなんだろう。

セーラー服を着た、感情がないような目つきの少女。
無駄のない簡素な線。それゆえの伝わってくる汗の臭い。なによりエロい。

紺野さんと遊ぼう、というか、紺野さん「で」遊ぼうの方が正しいか。
とにかく紺野さんでフェティッシュに遊ぶ。
例えば等身大のカブトムシに襲わせたり、素足でモチをつかせてみたり
紺野さんを太らせ太股にテニスラケットの網目を押し付けてみたり
など、作者の妄想が一話一話続く。紺野さんは喋らない。

かと言って、フェチ一直線かと言うとそうでもなく
実際この本を人に貸し、曰く「これ笑えたよ」だった。
ギャグとしても読めるのだ。ギャグとまでは言えるか分からないが
自分の妄想に読者が引かないようにか、かなり読みやすい形で書かれている。
それが読者への配慮なのか、それとも元々そういう楽しいノリが好きなのかは知らないが
どっちの見方をしても十分に読める。まあフェチの方が圧倒的に強いが。

それでも一巻で「幻の序章」と銘打たれた紺野さん第一号の、煩悩全開の作風が好きだなあ。
線の雑さも一層、初期の佐伯俊男風。

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[投稿:2007-06-17 15:10:37] [修正:2007-06-17 15:10:37] [このレビューのURL]