「夜、テレスドン。」さんのページ

総レビュー数: 37レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年06月13日

絵がキレイじゃなきゃ、ストーリーがなきゃ、って人は一生手に取ることはないと思いますが
80年代版つげ義春の夢漫画(パンク風味)な漫画には痺れます。
血まみれの人間がヘラヘラ笑ってたり、地平まで延びる一本道や、空を飛ぶUFOなどの蛭子テイスト。

こんな無残なもの描いてるのに本人としてはそういう意識は全く無かったってのは蛭子さんっぽいです。
単行本を多く出してますが、この初期の頃が一番濃いです。

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[投稿:2008-07-20 15:33:36] [修正:2008-07-20 15:33:36] [このレビューのURL]

マガジン版の頃が絵も話も神がかった勢いがあるような・・・

しかし、豪ちゃんキャラ勢ぞろいのお祭りみたいな漫画で楽しいです。
オチも嫌いじゃない。

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[投稿:2008-07-20 14:54:20] [修正:2008-07-20 14:54:20] [このレビューのURL]

「夜会」はシリーズ中のベストです。

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[投稿:2008-07-19 00:37:04] [修正:2008-07-19 00:37:04] [このレビューのURL]

9点 月ノ光

「当時は書くならエログロって感じだった」と後のインタビューで語っているとうり
処女単行本である本作は後の作風とは違いストレートに猟奇趣味してます。
伊藤彦造な絵柄で食人、スカトロなどなど・・・
でも誤解してもらっちゃ困りますが、単に残虐を徹底して見せるだけの漫画にあらずでして
随所に見える心地の良いユーモア感覚にこそ気付いてほしいんですよな。
真っ直ぐに猟奇してるというよりは、どこかそれを斜に構えてみてるような所があって
そのバランスがちょうど良いんです。よく比較される丸尾末広も同じです。
じゃなきゃ、こんなセリフ描けないよってセリフがバンバン溢れてますんで。
気持ち悪い・・・の一言で片付けられても、まあ仕様がないですが
せっかく「刑務所の中」で花輪漫画に触れたのなら、それだけで終わらずに
過去の作品にも手を出してみてくださいよ。

初期ならではの描きこみ過ぎて真っ黒なコマの数々も魅力的です。

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[投稿:2007-12-27 00:32:54] [修正:2007-12-27 00:32:54] [このレビューのURL]

9点 猟奇王

川崎ゆきおと言えば、まずその絵の下手さに意識がいくだろう。
単行本「悪いやつほどよく走る」の蛭子能収の後書きによれば川崎ゆきおは
「ひざの上にイラストボードや製図版を乗せて背もたれで、そり身でバランスをとって描いている」そうで
そりゃあ線もヨレるわってことで、しかし、そのヨレが「世と対峙できない」という
川崎のテーマと合っていて実に・・・と言いたいがコマの中の黒が占める面積が
特に初期になればなるほど多く、繊細と言うよりは、むしろ堂々として見える。
しかし「世と対峙できない」ことを、そう堂々と下手な絵で表現してるとこが
情けなくって、そこに読んでいて惹きつけられるんだよな。
まあ下手とは書いてますが、個人的には好きな絵柄です。
長井勝一氏も、「下手なんだけど郷愁をさそう。そこに引っかかった。」
と後のインタビューで語ってます。

4ページ程度の幼少のイメージを描いたと言う短編シリーズは、直接的な暗さに、その「黒」が生きてる。暗い。
やはり根本には、とてつもなく大きな負の感情があるんだろう。つげ忠男好きらしいし。

ああ、私も猟奇王みたいに日がな茶をすすりながら最中を食いつつボヤきたい。

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[投稿:2007-09-05 01:28:06] [修正:2007-09-05 01:28:06] [このレビューのURL]

傑作「美々子神サマになります!!」を収録。

神田森莉は、変な言語感覚(意図的)と人間性ゼロのストーリー作りが素晴らしいわけですが
普段は短編のみしか描かなかった神田森莉が
美々子では前編後編に渡って描き、その暴走を止めようとしません。
いつもは少しのページで終わっていたから良いものの、二話に渡ると、もう凄い。
とある教団をネタにしているということだけが評価されている気がしますが(まあ、それも凄いんだけど)
やっぱり作品を通してのテンションがオカシいです。痺れます。

「新宿ハルマゲドンだ!」は格好いいよ、やっぱり。

この絶好調の頃に描かれた「37564ひめゆりの島」っていう
どこの雑誌にも危なすぎて載せてもらえなかった傑作があるんですが
なんと本人のサイトで公開してくれてます。ありがたい事です。

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[投稿:2007-07-26 16:29:59] [修正:2007-07-26 16:29:59] [このレビューのURL]

頭のおかしいキャラたちを、ダラダラ整合性のない話の中で動かしている。

こっちは変なテンションに終わりまで、ただズルズル引きずられていく。
それが、この上なく気持ちいい。傑作。

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[投稿:2007-07-18 01:39:48] [修正:2007-07-18 01:39:48] [このレビューのURL]

憂鬱な甘さがある。

ノスタルジーマンガで幼少時の孤独感を
あまり強く打ち出すと若干あざとく見えてしまいがちだが
みぎわパンの孤独感は、確かに深い。
しかし深いはずなのに、そこまで強い感情をあまり感じない。
子供の自然な気楽さと自然な不安が同じくらいの分量で存在する。

もともと実験的なマンガを描いていた作者で
マンガを客観的に見れるから出来たことだと思う。
また、その実験精神も盛り込まれており、上手い見せ方がかなり多い。

人に勧めるときは「これぞ、ノスタルジー」と言って回ってます。
この変な暗さが他の作家に出せるものか。



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[投稿:2007-06-26 19:30:18] [修正:2007-06-26 19:30:18] [このレビューのURL]