「夜、テレスドン。」さんのページ

9点 月ノ光

「当時は書くならエログロって感じだった」と後のインタビューで語っているとうり
処女単行本である本作は後の作風とは違いストレートに猟奇趣味してます。
伊藤彦造な絵柄で食人、スカトロなどなど・・・
でも誤解してもらっちゃ困りますが、単に残虐を徹底して見せるだけの漫画にあらずでして
随所に見える心地の良いユーモア感覚にこそ気付いてほしいんですよな。
真っ直ぐに猟奇してるというよりは、どこかそれを斜に構えてみてるような所があって
そのバランスがちょうど良いんです。よく比較される丸尾末広も同じです。
じゃなきゃ、こんなセリフ描けないよってセリフがバンバン溢れてますんで。
気持ち悪い・・・の一言で片付けられても、まあ仕様がないですが
せっかく「刑務所の中」で花輪漫画に触れたのなら、それだけで終わらずに
過去の作品にも手を出してみてくださいよ。

初期ならではの描きこみ過ぎて真っ黒なコマの数々も魅力的です。

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[投稿:2007-12-27 00:32:54] [修正:2007-12-27 00:32:54]