「bk」さんのページ

ねずみと人間が戦うファンタジー世界で
半人半猫にされた猫と、猫の飼い主の父親(勇者)が冒険するファンタジー漫画。

堅物の勇者パイ・ヤンが猫に対して素朴な疑問や驚きを見せる描写が面白おかしくて見どころ
らしいのだが、個人的には自分も猫をよく知らないので、そこは「らしい」としか言えない。
というか、肉球の構造とか、箱に入りたいとか、パイ・ヤンの驚きの方に共感してしまう。
こんなこと考えるのは自分だけなのだろうか。
まあ、よく観察してるなーとは思う。

RPGのように、敵のねずみを倒したり封じたりして次へ進むストーリーではある。
なんだか少年漫画のようだ。
しかし、やはり田村由美先生の漫画の面白いところは、
キャラどうしが互いに影響しあって
成長したり、自分の考えを変えていくところにあると思う。
心がすれ違ってしまったパイ・ヤンと妻のジョゼが少しずつ融和していく過程や
とらじとの交流を通じて、だんだんととらじを大切に思うようになっていく
パイ・ヤンの心の変化が読んでいて心地よい。

完全にファンタジー漫画で科学考証とかは無意味。
不思議なことは魔法の一言で済ませられるので、
ある意味、科学考証とかで粗になる部分が無いので、
それは良いといえるかもしれない。

それにしても、パイ・ヤンは作中で結構貶されているけど、
どにゃるのは確かにどうかと思うけれど、
個人的にはむしろパイ・ヤンの生真面目さに好感を持つのだが、いかがなものか。


ちなみにこの漫画、PCで描いてる部分もあるらしいけど
田村先生の作画は緻密な感じではないので、あまりうまく作用してないようにも思える。

あとは刊行ペースが超スローペースなのがちょっともどかしい。
とはいえ、お勧めです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-02-22 20:48:44] [修正:2012-02-22 20:52:40]