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総レビュー数: 27レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年03月24日

ねずみと人間が戦うファンタジー世界で
半人半猫にされた猫と、猫の飼い主の父親(勇者)が冒険するファンタジー漫画。

堅物の勇者パイ・ヤンが猫に対して素朴な疑問や驚きを見せる描写が面白おかしくて見どころ
らしいのだが、個人的には自分も猫をよく知らないので、そこは「らしい」としか言えない。
というか、肉球の構造とか、箱に入りたいとか、パイ・ヤンの驚きの方に共感してしまう。
こんなこと考えるのは自分だけなのだろうか。
まあ、よく観察してるなーとは思う。

RPGのように、敵のねずみを倒したり封じたりして次へ進むストーリーではある。
なんだか少年漫画のようだ。
しかし、やはり田村由美先生の漫画の面白いところは、
キャラどうしが互いに影響しあって
成長したり、自分の考えを変えていくところにあると思う。
心がすれ違ってしまったパイ・ヤンと妻のジョゼが少しずつ融和していく過程や
とらじとの交流を通じて、だんだんととらじを大切に思うようになっていく
パイ・ヤンの心の変化が読んでいて心地よい。

完全にファンタジー漫画で科学考証とかは無意味。
不思議なことは魔法の一言で済ませられるので、
ある意味、科学考証とかで粗になる部分が無いので、
それは良いといえるかもしれない。

それにしても、パイ・ヤンは作中で結構貶されているけど、
どにゃるのは確かにどうかと思うけれど、
個人的にはむしろパイ・ヤンの生真面目さに好感を持つのだが、いかがなものか。


ちなみにこの漫画、PCで描いてる部分もあるらしいけど
田村先生の作画は緻密な感じではないので、あまりうまく作用してないようにも思える。

あとは刊行ペースが超スローペースなのがちょっともどかしい。
とはいえ、お勧めです。

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[投稿:2012-02-22 20:48:44] [修正:2012-02-22 20:52:40] [このレビューのURL]

守護霊のような精神力が具現化した「スタンド」という特殊能力を駆使して戦う漫画。
現在連載中のジョジョリオンまであわせると、8部作になっており、
主人公は各部で異なるが、世界設定が続いていたり、つながりがあったりする。

独特のスタイリッシュなファッション、ポーズ、絵柄が特徴的で
慣れていない人には読みにくいかもしれないが、
それらの個性的な特徴のおかげでディープなファンを数多く獲得している。

単純なバトル漫画ではないのだが、少年漫画だけあってやはりバトルがメイン。
そして、思いもよらない発想で戦局が大きく変わるのがこの作品の魅力であると思う。
・・・が、なまじ面白い分、長年読んできた読者の要求する度合いが高くなってきたのか、だんだん新鮮味にかけてくる。
「ギリギリのところで思いもよらない方法を用いて大逆転」という展開において、
逆転の策がわかりにくくなってきている(特に6部)。
それと、複雑すぎて何やってるのかわからないページも割とあると思う。

長く連載しているせいか、設定に矛盾や破綻もある(鏡の世界があったりなかったりとか)。
そういうちょっとした突っ込みどころに対しては、
ネット上などで、ファンが「ここはこういうことだから」と逆に考察して一定の結論を付けたりしている。
それはそれで一つの楽しみ方なのだろう。
個人的にはちょっと過大評価かな、とも思うが、
読者の多さと作品の面白さを裏付けているともいえる。


ストーリーの合間にさりげなく入れられる、作者が常々思っているであろうこと
(人間の肉はまずい、最初にキノコを食べた者を尊敬する 等)の話は興味深い。

どうでもいいが、バトルばかりやっているせいか、
この漫画の主題が人間賛歌と言われると、個人的にはどうもしっくりこない。

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[投稿:2009-03-26 22:27:38] [修正:2011-09-16 21:26:50] [このレビューのURL]

7点 トリコ

未知の食材を求めて、獣や競合する敵と戦いつつ、
上手い料理を追求する、という食材ハンティングバトル漫画。

嘘とホントとハッタリが入り混じったトンデモ科学理論や
レベルのインフレ、正面からの豪快な肉弾戦、読者から募集した動物など、
古き良きジャンプ漫画の良さを引き出した漫画だと思う。


個人的に評価したいのが、
身体能力的には一般人の小松が驚き役に終わらず、
ちゃんと活躍して、ココやトリコといったレギュラーに認められている点、
トリコが食材を食べるとき、手を合わせて感謝を忘れず、骨の髄まで食べつくす点、
行き当たりばったりの感が否めなかった「たけし」に比べ、プロットがちゃんと組み立ててある点、
バトルの後に、ちゃんと食事シーンも入れて、バトル一辺倒で終わらない点、
食事シーンは皆で笑顔で食べる点、などである。

ちょっと幼稚ともいえるオリジナル食材も、子供には受けがいいだろうし、
むしろ少年漫画としてアリだと思う。

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[投稿:2009-07-10 20:59:34] [修正:2010-12-13 11:42:18] [このレビューのURL]

この作品で面白いと思ったのは、作者が言いたいであろう主張をキャラクターに言わせているその内容である。

ともすれば、いわゆる厨二病ともいえそうな内容かもしれないが、個人的には「なるほどな、面白い」と思われるものが結構ある。

また、魂の理論(?)というか世界観も凝っているなあと思う。

なんというか、単に娯楽作品ではなく、何らかのテーマを立てて物語を作っているというスタンスを感じ取ることができるので、そこはとても好きだ。

ただ、残酷な方へ、不条理な方へとストーリーが流れていく傾向があり、
それが後の展開との関係で、読者にとって腑に落ちる内容かというとそうとは言えない場面が多い。
全く無意味な描写ともいえないが、そこさえ加減すればもっと多くの人に受け入れられる漫画になるのではないかと思う。

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[投稿:2009-07-10 20:06:27] [修正:2009-07-10 20:06:27] [このレビューのURL]

アニメ化で話題になっているので漫画版も読んでみた。

アニメの可愛らしい絵柄に比べ、デザインがややあか抜けない。
そこで大分損をしているなと思ったが、ストーリー・構成はそれを補って余りある良さがある。
思わずニヤリとするような比喩やギャグ、穏やかで淡い恋愛描写、
決して下品にならずに、大正のお嬢様という雰囲気を崩していないのも素晴らしい。

アニメから入った人は、漫画のキャラデザの古臭さに敬遠してしまいがちと思われるが一度読んでもらいたい。
アニメのぽわわんとした雰囲気とはまた違った(アニメはアニメで良いが)
少女たちのしっかりした雰囲気が描けていると思う。

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[投稿:2009-07-10 19:51:22] [修正:2009-07-10 19:51:22] [このレビューのURL]