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総レビュー数: 27レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年03月24日

7点 トリコ

未知の食材を求めて、獣や競合する敵と戦いつつ、
上手い料理を追求する、という食材ハンティングバトル漫画。

嘘とホントとハッタリが入り混じったトンデモ科学理論や
レベルのインフレ、正面からの豪快な肉弾戦、読者から募集した動物など、
古き良きジャンプ漫画の良さを引き出した漫画だと思う。


個人的に評価したいのが、
身体能力的には一般人の小松が驚き役に終わらず、
ちゃんと活躍して、ココやトリコといったレギュラーに認められている点、
トリコが食材を食べるとき、手を合わせて感謝を忘れず、骨の髄まで食べつくす点、
行き当たりばったりの感が否めなかった「たけし」に比べ、プロットがちゃんと組み立ててある点、
バトルの後に、ちゃんと食事シーンも入れて、バトル一辺倒で終わらない点、
食事シーンは皆で笑顔で食べる点、などである。

ちょっと幼稚ともいえるオリジナル食材も、子供には受けがいいだろうし、
むしろ少年漫画としてアリだと思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-07-10 20:59:34] [修正:2010-12-13 11:42:18] [このレビューのURL]

8点 B’TX

概要を簡単に言うなら、「機械の獣に乗って戦う、聖闘士星矢」。

車田正美の作品だけあって、この作品も
美形の敵味方がかっこいいセリフを吐いて1対1で戦うという内容である。
そして、敵のボスに近づくために美形の中ボスを撃破していくという点もやはり星矢と同じ。

ただ、単に敵が出てきてやっつけてハイおしまい、というだけではなく、
シナリオは星矢以上に練られていて、それが奇跡的にもまとまっているのではないだろうか。
そう思えるのは、主要キャラの各人の生まれ育った背景を
きっちり描いていることに成功の要因があると思う。

また、バトルについても、「どちらのコスモが大きい小さい」
というような単純なものではなくなかなか工夫してある。
特に中盤以降の数学バトル、哲学の問いを投げかける敵とのバトルは面白かった。

未完で終わらず、キッチリとまとめ上げているところや、肉体的には強くも無い主人公の兄が
単なる囚われのヒロインに終わらないところ(クライマックスでの最終ボスとのやりとりは逸脱である)、
非美形のキャラクターにもしっかりとした見せ場があるところも良い。

また、キザったらしいセリフを美形キャラが吐くというのは、
ある意味様式美でもあり、陳腐でもあるが、
愛だの友情だのを臆面なく叫ぶことができるというのは強みでも有るように思える。
この作品では、キャラが斜に構えるのではなく、堂々と叫んでいるところが素晴らしい。


某バンドのボーカルそっくりの敵キャラが出てくるのはまあご愛敬。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-03-24 19:37:48] [修正:2010-12-13 11:35:12] [このレビューのURL]

9点 7SEEDS

ストーリーの概要は、「未知の世界に放り出された8×5人のサバイバルストーリー」といったところ。

SF分も結構多く、科学考証等については、真偽のほどはわからないが、
本当っぽく思わせる描き方で、未知の生物なども違和感がない。
とはいえ、サバイバルのハナシではあるが、
基本は人間どうしのドラマであり、見るべき点はそちらだろう。

見せ方も上手い。
現実にサバイバルな状況に立たされたら、もっと取り乱したり争い合う人間ばかりなのかもしれないが、
そこはそれ、適度にドラマとしてのバランスを取っていると思う。
少女マンガなせいか非常に過酷な状況下でも恋愛を忘れていないのはまあ仕方がないのか。
別に登場人物全員が恋愛第一とかそういうわけでもないし、逆に言えば娯楽的なものもないから、
そういう意味でつながりを求めるのは自然ともいえるのかもしれない。

個人的に面白いと思うのが、各人の心理描写。
誰がどういう考えでどういう行動をするかが非常に濃密に描かれており、
それが時には良い方向へ、時には悪い方向へ互いの心に影響しあう。
そういうキャラの一挙手一投足に、見ている方もいろいろ考えさせられてしまう。
最初はモブキャラかと思っていた登場人物も、展開が進めばしっかりスポットライトがあたるのも良い。

絵は特徴的で、とっつきにくいかもしれない。
(自分は話にのめりこみすぎたせいか、特に変だとは思わないが。)
また、背景などは雑なところも多々ある。下手なのではなく、雑。
虫が襲ってくるシーンなどは逆にこの雑さがグロテスク度を緩和している。


毎話毎話が、非常に続きが気になる。
というか、どういうシナリオの終着点にするつもりなのか予測がつかない。
同作者の「BASARA」のように、最終目標があるわけでもなく
(あるとすれば恋人との再会か?しかしそれすら中間点に過ぎないような…)、
何をもってクライマックスとするのか、わからない。
結果的に悪事を行うキャラクターもいるが、その人物を“敵”として描いている風でもない。
最終的に「壁」になりそうなのは、ドクロマークの彼だが、果たして。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-03-24 17:14:19] [修正:2010-12-13 11:32:02] [このレビューのURL]

純情で経験もない女子高生がエロゲ声優をする、というラブコメ漫画。

女子高生がエロゲ声優、というぶっとんだ設定は
作者があとがきで描いている「可愛い女の子を恥ずかしがらせたい」
という描写のための舞台装置にすぎないと思う。
なんというか、主人公の子を恥ずかしがらせて、
それを「可愛い!」と思えるかどうかが、この作品を好きになれるか否かの分かれ目になる。
声を聞いただけで絶頂とか、指を舐めるとか、そこら辺の設定についても同じ。
ありえない設定ばかりが出てくるが、それを、「ありえない、くだらない」
と思う人は多分全く評価の対象にならないだろうと思う。

エロ関連の話とはいえ、演じているキャラたち自身がエッチなことをする描写は(直接的なものは)無い。
成年向けになりそうなところを、間接的なものに留めて、
なおかつ、どうエロさを保つかということに作者は腐心しているようにも思える。
ちなみに、この漫画の作者は成年コミックも執筆しているが、絵的には平面的なキャラデザで、
エロさというよりもファンシーな感じの絵柄。

毎話毎話こっ恥ずかしい展開なので、色んな意味でページをめくり難い。
エロゲー製作が舞台なのに主役のカップルがあまりにも純情すぎる。
それでいてやっていることは変態一歩手前。
ある意味ギャップがすごいといえばすごいのかも。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-07-10 20:36:07] [修正:2010-12-13 11:18:22] [このレビューのURL]