「アメ」さんのページ

[ネタバレあり]

 主人公の正義感の強さに辟易させられる。大学病院のこれでもかという悪役ぶりもやり過ぎに見える。主人公(=作者)だけが正しい勧善懲悪の世界観には、共感できない。

 それでも、この作品が世の中に与えたインパクトは評価するべきだと思う。封建的な大学病院の体質や薬剤認可における国の腰の重さなど、この漫画を通して知り、考えた人はきっと多いと思う。
 医師や病院への不信が募り、インフォームド・コンセントやセカンドオピニオンといった考えが社会に浸透していった背景の一部に、この作品もあるのではないか。ドラマ化もされたし。

 個人的には、ガン編が一番泣けた。死ぬ母親は、自分が死ぬことよりも残される家族のことを考えるのか、と思うと涙が止まらなかった。精神科医療編は、もっと統合失調症をリアルに描いて欲しかった。でも、二番目に好きだった。

 基本的には嫌いな作品の部類に入ると思う。それでもしっかり読んでいるし、色々話したくなってしまうのも、作品の魅力なのだろうか。

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[投稿:2013-02-08 22:15:26] [修正:2013-02-08 22:15:26]

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