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9点 敷居の住人
熱いメッセージや目の覚めるような成長も別になく、緑の髪した少年を一歩引いた目線から観察しているだけの思春期マンガ。
なんて言うんだろう、この感覚は。志村貴子さんの作品を読むといつも感じるこの心に染みるおもしろさ。
独白が多くて、セリフが極力削がれた静かな心理描写。空白を多く残した白くて引き込まれる絵柄。妙にリアリティ漂う空気。
ああそうか、これはあれだ。『シンクロ』だ。
他人事じゃないからこんなに染みるんだな。
つまり私は「本田くんモード」だったり「キクチさんモード」だったり、「敷居の住人」をズブズブ読んでいる時、すっかり彼彼女らと同調して(させられて)いるのである。
夜の歩道橋で主役二人がなんとなくぐちり合うシーン。私の居場所はきっと現実ではなく、マンガの中のキャラの中なのだ。
うーん、こんなマンガはなかなかお目にかかれない。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2006-10-04 04:50:52] [修正:2006-10-04 04:50:52]