「nur_wer_die_sehnsucht」さんのページ
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9点〜10点:生命の躍動や狂気に重点を置いた作品。あとは、やはり壮大な作品が好きだな。
『デビルマン』『 ベルセルク』『ヘルシング』『イレブン・ソウル』『新暗行御史』『風の谷のナウシカ』『宇宙戦艦ヤマト』『銀河鉄道999 (映画版) 』
『火の鳥』『ブラックジャック』『陽だまりの樹』『きりひと賛歌』『低俗霊シリーズ』『300 (フランク・ミュラー) 』『坊っちゃんの時代』『紫電改のタカ』
『ARMS』『スプリガン』『うしおととら』『ジョジョの奇妙な冒険』『シグルイ』『鋼の錬金術士』『エア・ギア』『天上天下』 『無限の住人』『カムイ伝』
『劇マン』『今際の国のアリス』『ゴロセウム』『蟲師』『犬神』『地雷震』『GUNSLINGER GIRL』『デトロイト246』『バトル・ロワイアル』
『BLACK LAGOON』『蛮勇なり』『サンケンロック』『X-BLADE』『狼の口』『ヴィンランド・サガ』『コッペリオン』『アラクニド』等。
まだまだあるが、挙げ出すとキリがないな。

10点 火の鳥
「宇宙」というものだよな。
突っ込んで言えば、『火の鳥』に通底しているのは日本古来の「無常観」というものだよ。
全てのものは必ず滅びるわけ。それがこの宇宙に存在するものの宿命なんだよ。
だから、なんだよな。滅びない「火の鳥」というものを創造し、これと関わることで無常というものを明らめているわけ。
古代日本で宝飾職人であった男が自分の欲望の末に両腕を斬り落とされる。もう職人としては終わるわけだ。しかし彼はサルタヒコとなり、新たな生を受けるよな。
無常というものに対して、人間がどう受け入れるべきなのかということがここにあるわけだよ。
この世の栄華、欲望ではないものが、無常を受け入れることで拓いて行くわけよ。
永遠の命を求める者は、全て滅びるじゃない。だからそうではないのだ、ということだよな。
もう一つの代表作である『ブラックジャック』は、一方の西洋思想というものを表現しているんだよ。人間の力で何でもしていこう、というな。しかしそこにも無常観が見え隠れしていることがわかるの。
何でも出来る天才外科医ブラックジャックが及ばないものがあるわけだよ。
『火の鳥』の場合は、未来にまで話が及ぶじゃない。でもそこでも同じことを繰り返すよな。だから人間存在の基底にあるものを描いた、ということなんだよ。
人間の進歩やなんかはどうでもいいんだ。人間存在には普遍的な重要なものがあるの。
それが無常観を受け入れることなんだよ。死すべきモータルな存在であるからこそ、人間なんだよな。
だからあの作品では、火の鳥を捕獲することに失敗した者達のその後の運命にこそ、その答えが表されている、ということだ。
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[投稿:2018-08-10 10:47:40] [修正:2018-08-10 10:47:40]