ヒミズのレビュー
8点 電光石火さん
若い時代の毎日の気だるさや将来に対する不安をこれでもかってほどリアルに描いていると思う。漫画的なわざとらしい盛り上がりがないところもリアル。
ハラハラする場面を書かせると彼の右に出るものはいないと思います。特に正造が住田君のために金を盗むシーン。どんどん先へ先へ読まずにはいられなかったです。
そしてラスト。
少しばかり希望が見えてきたところで、やはり未来を信じられなかった住田君。最後の最後までリアルさを追及したあの裏切り方。余韻が残ったのを覚えています。
最後の朝、隣に住田君が寝ていないことに気づいた茶沢さんが外に様子を見に出たシーン。あのときの茶沢さんの無表情がすごく好きです。
おそらく「どこいったんだろう?」という漠然とした不安と、それでも最悪の想像はしていないであろう、複雑な表情が絶妙に描かれていると思いました。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2008-04-12 22:15:51] [修正:2008-04-12 22:15:51] [このレビューのURL]
8点 a6a6さん
下層から最下層に転落し、閉塞感が広がるとともにおかしくなっていく主人公を描ききった話。そこから一切浮気せず、四巻でぱっと終わったところが良い。
推理小説内の殺人は全貌が明らかになる一方で世間は未解決事件で溢れかえっているのと同じで、外部からの説教で人を救えるなんてことは現実には滅多にない(今まで自分にされた説教を思い出してほしい)、ということに気づかされる作品。
理由はよく分からないが主人公を好きになる人がいる・小汚い変質者が多数登場する、という古谷漫画の共通点も、ここでは話の流れとマッチしているのをはじめ、とにかく不自然さが無い。
雰囲気が終始一貫していて、流れを壊してしまうようなことが起こらず、だから他の漫画には当たり前にあるようなことが無く、オンリーワンの漫画だと思う。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2008-03-16 00:37:46] [修正:2010-07-11 02:30:39] [このレビューのURL]
9点 雄男さん
「稲中」のイメージが強かったので面くらった。
たしかに後味の悪い作品だけど、個人的にはこういう漫画超好み。
特に変態の人物描写がリアル。
登場人物たちの台詞に名言が多く、ふと考えさせられる。
4巻というボリュームも最適。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2007-09-13 23:27:20] [修正:2007-09-13 23:27:20] [このレビューのURL]
7点 リヴィエラさん
暗い。どうもこの作品をどう捉えればいいか良く分からないが
その暗く、独特の雰囲気に呑まれてしまった事は事実。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2007-04-14 19:11:58] [修正:2007-04-14 19:11:58] [このレビューのURL]
5点 ごまあぶらさん
理不尽であるが、理に合わせて次々行動を起こしていく。
「伏線」とは呼びにくいがそんな感じでした。
Aが起こったからBが起こって、だからCにたどり着く。
逆を言えばAが起こらなければCと言う結果にはならなかったんじゃないかということ。
たまたまが始まりであって、それからは決まったこと。
偶然と必然のバランスがぴか一でした。
ただ、偶然があまりにも出来すぎたりするところもありました。
中身として一貫して空気を見せるのがうまく、流石の作者だと思いました。悩んでいるけれど、何も出来ないという苦悩を良く現せていたと思います。
ラストシーンはありだとは思いますが、その手前3話くらいはなんだか不思議な感じがしました。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2006-06-29 14:31:20] [修正:2006-06-29 14:31:20] [このレビューのURL]
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