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7.5点(レビュー数:61人)

作者山口貴由

原作南條範夫

巻数15巻 (完結)

連載誌チャンピオンRED:2003年~ / 秋田書店

更新時刻 2011-01-12 13:15:57

あらすじ 江戸時代初頭、天下の法に反して駿河城内で挙行された真剣御前試合で対峙したのは、幾多の因果の果てに対峙する片腕の若武者と盲目の天才剣士、この二人の対決を描いた話。

備考 小説「駿河城御前試合」を漫画化した物。

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シグルイのレビュー

点数別:
6件~ 10件を表示/全61 件

9点 やっきゅるさん

かなり面白かった!久々のヒット

気づいたら一気に全巻読み終えてたし

ボリュームもちょうどいいし、全巻通してドキドキワクワクできました
間違いなくオススメ

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-03-23 11:28:29] [修正:2011-04-25 02:32:06] [このレビューのURL]

9点 玄米茶さん

切られた描写が、大変痛そうなマンガである。見ていると背中がムズ痒くなってくる。必要以上に、読者の「感覚」を刺激しようとする表現である。

登場人物たちの立ち姿はとても美しいが、薄皮一枚剥がせば、臓物という現実があふれ出る。現実とは思想ではなく身体に宿り、理性によってではなく感覚によって規定される。マンガが最も心をくだくべき課題であるように思う。

あと、終盤の伊良子の変化であるが、人が成長するときは、あんな風に突然だと思う。そこはとてもリアルだと思う。



ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-12-01 11:20:24] [修正:2011-03-20 21:09:01] [このレビューのURL]

9点 limolimoさん

期待して読み始めなかったもののすぐに、ページをめくっていくごとに夢中になって読みふけってしまった。
まず最初に表紙を見て絵に拒否反応があったけど不思議と美しいとさえ思えてきました。
セリフは非常に少ないけど絵が力強く物語っているので、調度いい具合の活字量でした。
あとこの作者さんは裸族かってぐらい裸がでてくるのが多いけど不思議とエロさを感じないです。
肉体美というのがよく表現されているんではないでしょうか。もうこれは説明するより読んだ方が手っ取り早いので絵で嫌悪感がある人にもぜひ読んでもらいたいです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-02-01 11:16:04] [修正:2011-02-01 11:16:26] [このレビューのURL]

10点 B・Aさん

『まさしく傑作』

今、自分の中で一番熱いマンガです。
何年か前に『このマンガがアツい』みたいな本で取り上げられてて、その時の印象がすごい強いんですね。

「…なんでこんなに気持ちの悪いマンガが面白いんだろう?」
(↑読んでない奴が言う典型的なセリフ)

とすごい思いながらその記事を読んでいた記憶があります。

この作者のマンガ、前に一回『覚悟のススメ』だったかな、読んだ記憶はあります。

『読みやすいし話も興味ないわりには引き込まれるけど、絵が好みではない』

それが僕のこの人の印象だったし、その後長い間読む機会を作ることもないまま今まできました。(やっぱりマンガで絵の好き嫌いというのは大事なんだなー)


そしてこのマンガ。

やはり傑作だと思いました。
何が傑作ってこの作中の人物たちが本当に怖いんです。こんな人間近くに絶対いて欲しくない。

二次元の世界でそれを表現出来たら、もう勝ちじゃないですか。

まるで小説を読み進めている様な感覚。それは小説を原作にしたマンガは数あれどなかなか無い感覚です。行間に込められる怨念すらそこに描ききろうとする作者の迫力に気おされます。

いつの間にか苦手だった絵柄が、この原作にはしっくりきていると感じる自分がいます。

そこにはまぎれもなく価値観の転化があり、だからこそ引き込まれるのです。


このマンガは虎眼流という道場で交錯したふたりの青年を描いているんですが、主人公には片腕がなく、そのライバルは失明し片足が不自由というハンデがあるんですね。

その設定がまず半端ないです。普通にオリジナルで描こうと思ったらまず通らないほどのハードルの高さです。ひとつはまず編集として通らない(差別問題として)、そして基本的には書き手にとって主人公は、人より優りこそすれ五体満足であってほしいという根本的な欲求は抑えられないんじゃないかと思っています。(ベルセルクのガッツは片腕ですが、ある意味普通の腕よりパワーアップしていると思っています。それとて腕を失うシーンは充分に衝撃的でしたけど)。

その設定が成り立った唯一の理由は、やはり原作の魅力なんだと思います。
浅学にして、まだその小説は読んでいないのですが、その内容如何というより、読んだ作者山田貴由がどれほど惹きこまれたかがこのマンガに込められた熱量を決定したのではないでしょうか。

だからこそこの異色の設定のマンガが世に現れたし成功したのだと思うのです。

また二人はハンディキャップを負いながらも鬼のように強いのですが、それが読んでいくうちになるほどと納得してしまうんです。

それは単に特別な才能を持っているからと一言で語られるのではなく、そこに行くつくまでの壮絶な努力研鑽、そして何よりその思想までもが克明に描かれていくからこそ「それならここまで強いのも当然」と思わせてしまうのだと思います。

人として考えると、ここに出てくる人達のほぼすべてがまともではありません。けれどそれぞれの思いを遂げるという一点だけは皆だれよりも一途で純粋なのです。

そしてそれは同時に作者、山田貴由の一途で純粋な情熱にも気づかされるのです。

僕がきっと惹きこまれているところもその純粋なところだと思います。


実はまだ読んでいるのは14巻までで最終巻の15巻は読めていません。

けれどきっと面白いと思います。そしてその結果どうなるとしてもこの作品は傑作であるなぁと改めて思う訳です。


最近ピュアではなくなってしまっている人にオススメ!

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-11-21 03:42:21] [修正:2010-11-21 03:42:21] [このレビューのURL]

10点 おいきむさん

最終巻を読み終えた。
決戦に導かれる両雄の想いが感慨深い。
第一巻における対決の場面の「行間」を埋め尽くす2人の生きざまと関係人物達の思いが、まざまざと思い起こされる。
すべてのディテールがこの物語に奥行きを与えるとともに、読者の緊張感を高めてゆく。

結末は私個人的には非常に残念であった。
おそらく、これまでに登場人物ひとりひとりの背景を掘り下げて描いてこられた作者もまた、同じ思いであったのではないか、と思わずにいられない。
しかし(私は原作を読んでいないが)、原作者が表現した「封建制度下の武家社会における残酷」とその思想について十分に敬意を払った、これ以外にない素晴らしいラストであった。

それにしても公式の対決の場に水桶を持参するあたり、当時の武士としては当たり前の心構えであったかとは思うが、物語とは言え、好敵手に対する敬意の裏返しともいえる、そうしたリスクに対する意識の高さは、現代の平和ボケした日本人が失ってしまった最たるもののひとつであるように思い知らされた。

作者:山口貴由さんの次回作が、かの名作『覚悟のススメ』の続編とのことだが、大いに期待している。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-11-07 10:22:54] [修正:2010-11-07 10:22:54] [このレビューのURL]

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