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7.94点(レビュー数:100人)

作者手塚治虫

巻数25巻 (完結)

連載誌週刊少年チャンピオン:1973年~ / 秋田書店

更新時刻 2012-05-15 20:17:54

あらすじ B・J(ブラック・ジャック)の異名をとる天才外科医、間 黒男。しかし彼は医師免許を持っていない(モグリ)である。

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ブラック・ジャックのレビュー

点数別:
6件~ 10件を表示/全100 件

10点 チーズカバオさん

何度でも、一生読める漫画。
ふとした時に、自然に手に取って一話読んでしまう。
「生きること」そのものが漫画という形になっていて、根源的な本能にすっと寄り添ってくれる感じ。
文字でこの感覚は伝えられない。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2020-11-13 08:09:24] [修正:2020-11-18 12:07:51] [このレビューのURL]

10点 nur_wer_die_sehnsuchtさん

[ネタバレあり]

手塚治虫という人間は、漫画によって子供達に何事かを与えようとした人だな。
漫画が悪であるという時代にあって、闘い抜き、後には漫画というものを社会の中に定着させることに尽力した。漫画を確立した人だから、今も神様と呼ばれているよな。
『ブラックジャック』という作品は彼の代表作の一つに間違いないが、非常に特殊な作品でもある。
『火の鳥』と並んで、命というものを哲学的に追究したものだな。しかも現実の中でだ。
もちろん漫画という非常に制約の多いものだから、自ずと描ける限界はある。でもやろうと思ったわけだ。

この『ブラックジャック』の原点は、山本周五郎の『赤ひげ』だよ。
「医道」というものを体現したあの赤ひげを、ブラックジャックという現代の外科医に投影している。つまり手塚の理想の医師が赤ひげの中にあったんだな。

で、手塚が描こうとしたのは生命というものの姿だよな。
ブラックジャックは外科医の仕事として、何としても患者を助けようとする。つまり生命は生きるべきだ、という哲学通念になっているわけだ。しかし一方で、生命自身の力を見せつける話や、キリコのような死による解放という思想も手塚は呈示している。
本間先生がメスを腹の中に忘れた話なんかは、外科医の必要性を嘲笑うかのようだよな。あれは実話を基にしたものだよ。視覚ではない、知識でもない中で、生命は体内の異物を排除するためにカルシウムで覆って身体を守ったんだよな。そういう実例があるの。
つまり、手塚は超絶の医師に極限の現実をぶつけ、また難問を投げかけて、生命の本質というものを探り出し見せようとしたんだよ。

手塚自身も医師であったんだよな。だからあれは自身への問いと答えであり、まあアランの『定義集』のような自問自答で思索を続ける作品だったんだな。
だから「哲学的」ということだ。

ブラック・ジャック(間黒男 )は非常に一貫したキャラクターだよな。
仕事として治療を引き受け、それを何としてもやり遂げる、というものだよ。
しかし、手塚はリアリズムを強めたから。だから、時には悩み苦しみ失敗することもあるというものだな。
またやはり漫画というものの制約が今以上に強い時代だから、描きたいように描けなかったことも多いとは思うよ。
で、私にはブラック・ジャックは全く性格破綻者には見えないな。たまにそういう人がいるんだけど。まあ現代的な思考として、多額の報酬を要求するのが悪いとか、そういうことで感ずるんじゃないのか。少なくとも生命を弄ぶようなことは一切無いよな。

まあ、私の若い頃には大学病院なんかでは上でのいい外科医に手術してもらおうとしたら、みんな札束積んでたよな。リアリズムなんだよ。
もちろん漫画の中には漫画のリアリズムがあるから、現実離れしててもいいんだけどな。馬と人間の脳みそとっかえたりもしたけど、あれは流石に不可能だから。

まあ最初の方にも書いたけど、手塚はブラックジャックという超一流の人間に難しい問題を突き付けて行こうとしたものだから。だからブラックジャックの主張や思想が正しいとしているわけじゃないんだよ。むしろ手塚の本心とは別なものだよな。だからこそ生きる命に拘る医師であるんだ。
同じくキリコや琵琶丸にも現実をぶつけるよな。主役ではない人物だが、手塚にはああいう思想もあるんだよ。だから問いたださざるを得ないんだ。

漫画だから、非常に編集サイドの意向も取り入れざるを得ないものだ、ということは知っておいた方がいいぞ。だから人気を維持しなきゃならんし、社会規範の影響も大きいんだよ。悪人だからって惨い殺し方は出来ないんだしな。特に昔はな。
ただ現代人はあの超絶の腕前にばかり反応する気がするよなぁ。私なんかは命の哲学に断然興味があるけどな。まあ、現代人の卑しさと闘う話も多いけど、そっちは人気取りの要素だよな。本質は人生、命の話だよ。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2018-08-10 10:40:42] [修正:2018-08-10 10:40:42] [このレビューのURL]

10点 くっさんさん

小学校、大学生、社会人と読みましたがいつ読んでもインパクトは凄い。
この当時に安楽死や脳死をテーマにしているのは単に先見性だけではなく手塚おさむがいかに「人」と「医療」を真剣に考えているからこその結果だと思う。
芥川賞・直木賞ものの文学です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-09-08 12:14:14] [修正:2010-09-08 12:14:14] [このレビューのURL]

9点 かずーさん

 
巨匠・手塚作品の中でも火の鳥、陽だまりの樹と並ぶ面白さ。

子供のころ夢中になり、おっさんとなった今読んでも面白いと感じる。
こういった作品を名作と呼ぶのだと思う。

基本1話完結ながら、ブラックジャックの出生秘話や、膨大な報酬を何に
使うのか?、といった疑問ソースが入れてあり、全巻通しても骨太感がある。

キャラクタの創世も見事。
生と死の倫理観をキッチリと取り上げ、安楽死を請け負うキリコという
キャラを登場させたり、何と言っても名コンビ?ピノコの登場のさせ方
なんて、誰があのようなストーリーを作り出すことが出来るのか!

さすがはマンガの神様と称される手塚治虫氏渾身の作品である。

いくら年月が経とうとも色あせることのない名作であると感じます。
文庫版でも買って子供にも読ませよう、という気持ちになりました。(笑)
 
 

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-05-11 12:56:08] [修正:2010-05-11 13:14:14] [このレビューのURL]

9点 さすらいの猫さん

ただの医療漫画では無い。ヒューマンドラマも所々に散りばめられ、深く心に刻み込まれる作品です。
当時は「怪奇まんが」の類だったようですが、この漫画はまさしくヒューマンストーリーです。

ブラックジャック、彼ほど人間臭いキャラはそうそういません。
そして私は思います。彼こそが元祖「ツンデレ」なのではと。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-05-07 04:29:09] [修正:2010-05-07 04:29:09] [このレビューのURL]

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