蒼天航路のレビュー
10点 motoskeさん
中国発祥の古典物語り『三国志』を王欣太氏が描いた作品。
原作が含蓄ある古典だけあり、人生訓となりえる名言が多数あります。
この作品に関しては、魏の建国の祖である『曹操』を主人公にして、三国志の漢朝滅亡から三国鼎立までの物語を書きます。
ちょうど、曹操が生きた時代のお話ということになります。
王欣太氏の美麗な絵にて躍動するキャラクターが奇抜かつ秀逸な作品だと思います。
普段は悪役として描かれる曹操ですが、今回は彼が乱世を沈めた英雄として書かれており、一癖も二癖もある物語となっております。
ぜひ一読をどうぞ。
カス”
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2011-07-15 01:47:58] [修正:2011-07-15 02:08:30] [このレビューのURL]
8点 Mサトゥーさん
文庫版通読。
”乱世の奸雄”と呼ばれ、後の歴史家に”破格の人”と評された男・曹操孟徳。
味方の官軍ごと反乱軍を焼き払い、隣国に侵攻すれば兵も民も鏖殺。
市にて豚をさばき、箸で皿をたたいて音曲を奏でる。
生涯武人として強さを求める。
詩歌を楽しみ、自らも詩人として名を残す。
”唯才”を唱えて、儒という既存の価値観から人の才を解き放つ。
曹操というキャラクターに英雄という言葉は当てはまりません。自分の激情を思う様振るう生き方はあまりに奔放だからです。
曹操は暴君ではありません。曹操の苛烈な政にはいつも理があるからです。
やはり曹操は”奸雄”であり”破格の人”なのです。
この大きな存在感を持つ人物を中心に据えて描く三国志です。
面白い!
これまでの「義理堅くてイイ人」なだけの劉備玄徳が主人公の三国志がいまいち好きになれなかった人に読んで欲しい作品です。(自分も、横山光輝の劉備はあまり好きになれませんでした。)
とにかく登場人が魅力的です。もちろん劉備もただのイイ人ではありません。
力強く、高密度に書き込まれた絵で描写される戦の場面もかなり見応えがあり、格好いいです。
自分はあまり三国志に詳しくないのですが、ストーリー展開はかなり正史に近いそうです。
ただ、正史に忠実なのはあくまでストーリー展開だけであり、真面目な歴史漫画を期待すると拍子抜けするかもしれません。
人外の者がちらほら居たり、武将の一撃で一団の兵士がまとめて吹き飛んだり、いい意味で漫画らしい描写が結構あります。
また、良くも悪くも曹操劇場な作品ですので、曹操のキャラクターがダメな人は徹底的にだめだと思います。
曹操の言動が芝居がかっていることもあってか、曹操だけが筋書きを知っている劇を見ている感じです。
人を選ぶ作品ではありますが、ハマれば大ヒットな作品です。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2011-06-26 04:33:01] [修正:2011-06-26 04:33:01] [このレビューのURL]
8点 columbo87さん
三国志を大胆なキャラクタ、歴史解釈で描きなおした名作。
戦争のダイナミックさ、人間の手にまだ戦いがあった時代の、もっとも厚い部分を見事に表現していると思いました。
歴史群像としては終盤に疑問は残りますが、これだけの数の人物をここまで捌ききったは評価したいところです。
人間の物語として、歴史物語として総合的に完成している作品。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2011-06-04 01:26:42] [修正:2011-06-04 01:26:42] [このレビューのURL]
0点 tyu1225さん
何これ?
三国志か??
今まで三国関係の物を呼んだり見たり、ゲームしたりしてきたが、
これほどつまらない物はない。
今まで読んだ漫画の中でも超最低ランクです。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-02-14 20:38:26] [修正:2011-02-14 20:39:06] [このレビューのURL]
10点 あおはなさん
評価する人は最も評価するし逆もまた然りの日本漫画筆頭。
でも理由分からなくも無いです。
原作者がお亡くなりになったという論点はあまり実は重要ではないように思います。
この作品まずは「官渡の戦い」が前半最大の山場であり主義主張がコレでもかというくらい露骨に凝縮した部分ですが(実際にここは横山三国志では見事に省略された戦い)官渡の戦い前半部分の「心の闇」の話を「上から目線で一人よがり」と捉えるかインスパイアされるかがこの漫画の第一の分岐点でしょうね。
このアタリまで読んでみて好感触を持てないとこの漫画は合わないでしょう(この後は思想的哲学的な記述がオンパレードですから。バガボンドにおける井上先生の主張具合に唯一匹敵するくらいに)。
おそらく人によってはこの後の記述はかなり読解力が求められるように思いますし、何気でよんでいると「優性理論かよ?」と気分を害される人がかなり多いのも全く持ってうなずける。そういった意味で「読み手にも胆力を求める傲慢漫画」でもあると思います。
この漫画、特に曹植とジュンイクに着目していただきたいですね。この漫画においてはこの二人に関する記述が恐ろしく重要です。
三国志漫画としてのこの漫画の最大の特徴は「曹操と儒家の対立」の描写でありますが(この点他の三国漫画には当時存在しませんでした)この点につきジュンイクを核にした描写が泣けます。
あと意外なことにこの漫画が最も正史三国志に近いです。曹操と孔明、武人のデフォルメの影響で(こいつらに関してはかなり・・・)一見もっともフィクションっぽいのですがじつは最も史実を正確に記述し、魏、呉、蜀を結構平等に記述した漫画。
だから実際は1巻巻頭の主張「善玉と思われた奴は本当に善玉だろうか云々・・・」という原作者が存命していた時の提言に作品全体を通して実は忠実です。あと余談ですが、画力も抜群です(特に8巻当たりからは際立って)。呂布がドレッドなのは当時やられました。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-11-06 17:58:43] [修正:2010-12-11 17:50:18] [このレビューのURL]
PR