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7.37点(レビュー数:8人)

作者山本英夫

巻数11巻 (完結)

連載誌週刊ヤングサンデー:1993年~ / 小学館

更新時刻 2009-11-25 06:30:14

あらすじ 大学生の東恩納恒(ひがおんな・こう)は、同級生のさとみと付き合っている。だが最近、さとみの行動に疑心暗鬼にもなっている。彼女は本当に自分を愛しているのか。そんな時のぞき屋の青年と出会った恒は、彼女の本当の姿、そして、偽り続けた自分の姿を追求する…

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新のぞき屋のレビュー

点数別:
6件~ 8件を表示/全8 件

9点 rongaiさん

山本さんは昔から取材力に長けた方だと聞いてますが、
こののぞき屋もかなり取材したであろうと思わせてくれます。

人間の内面をどうエグるかっていうのがポイントですかね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-06-12 11:29:23] [修正:2007-06-13 18:44:01] [このレビューのURL]

7点 fimicoさん

殺し屋1や、ホムンクルスなど、どこか暗く、シリアスな漫画ばかり描く人だとおもったら違う!
この人の所々出てくるギャグが好き。けっきょくスマイルとかそこまで役に立ってないし(笑)
あのゴキブリ男は気持ち悪かった・・・眠れなくなりそうだった。
面白かったけど、終わり方がやけにあっさりしすぎていたため-3点。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-06-09 11:53:54] [修正:2007-06-09 11:53:54] [このレビューのURL]

8点 ほげさん

[ネタバレあり]

 『のぞき屋』というタイトルだが、エロティックな漫画ではない。大学生の恒を通して、人間の本当の姿を探って行く物語である。のぞきを趣味にしている青年のスコープはそのための道具に過ぎない。のぞくことで性的興奮を覚えるためではない。

 のぞき屋の青年は、恋人のさとみに対して常に「作り笑い」をして、セックスしたいという本音を言わない恒に、「ありのままの彼女を見届けて」みろと告げる。そのために探偵まがいのことをしろというのだが、青年に恒が「探偵」を依頼するのではなく、恒に青年が「探偵」を誘導するというところに、本作の主眼が見える。本作の主眼は、自分にウソをつき、セックスしたいのにしようといわないで、「作り笑い」でごまかしている主人公の恒を、本心に立ち返らせることである。人間は、のぞき屋の青年がスコープで覗いているように、強欲の世界だ。本作では性欲と名誉欲とが描かれているように、その欲望に沿って生きているに過ぎない。というか、それ以上の存在にはなりえないのだから、善悪の問題ではない。だが、ある一定の人間はどうかすると、その欲望を隠蔽したがるものだ。主人公の恒のように、自分にさえウソをつき、彼女にもウソをつき、のぞきを誘導する青年に散々言われてやっと開眼するといったところだ。恒は人間が欲望に沿って生きていることに気付かない振りをしている。青年は、その陥穽をついてくるのだ。

 もっとも、本作の主題は、突き詰めれば非現実的になってしまうのは否めない。全てを疑ってかかり、本音を突きとめるというが、原理的にそんなことはできるはずがない。時間的な無理もあるけれど、第一そんなことをしたら生活が営めないし、孤独になるほかにない。だから、人間は、欲望に忠実であるという命題を抱えながらも、どこかではそれを隠蔽する他にない。人間は理性もあるといった考え方で、その命題を捉え直していくしかない。それが一歩間違えると、本作の恒のように、自分を隠蔽し続ける人間に成り下がってしまうということになるだろうから、バランスの問題である。人間は欲望のもとに生きるが、理性もあるということ、疑い始めたらきりがないということ。これがこの漫画から分かる。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-08-09 22:11:43] [修正:2005-08-09 22:11:43] [このレビューのURL]


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