ホーム > 不明 > ヤングエース > 新世紀エヴァンゲリオン

6.94点(レビュー数:50人)

作者貞本義行

巻数14巻 (完結)

連載誌ヤングエース:1995年~ / 角川書店

更新時刻 2012-11-20 04:09:30

あらすじ 西暦2015年。15年前に起こった大災害・セカンドインパクトで総人口の半数近くを失った人類は、使徒と呼ばれる新たな脅威にさらされていた。国連直属の非公開組織である特務機関NERV(ネルフ)は、汎用人型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン (EVA) を極秘に開発し、予測されていた使徒の襲来に備えていた。そのパイロットに選ばれたのは、わずか14歳の少年・少女たちであった。

備考 この漫画はアニメの原作ではなく、アニメの企画・脚本などをもとに描かれている独自のストーリー。

シェア
Check

新世紀エヴァンゲリオンのレビュー

点数別:
16件~ 20件を表示/全50 件

6点 臼井健士さん

「エヴァンゲリオン」の漫画版。誤解が多いようだが、こちらの漫画がアニメの原作ではないのだ。

「画」に関しては貞本先生が描かれているので全く問題は無い。
特に3巻のレイの笑顔が印象的。
要は「ストーリーがどうなるか?」で、この漫画の最終的な評価を決定するのだとみて間違いない。

アスカが登場した頃は雰囲気も明るく、みんなでパーティーをしたりとシンジの性格も内に篭り過ぎないような描写が多いのは好感。父と再会した頃は「父親に捨てられたと思い込み、自分なんていつ死んでも構わないと生きることに無気力になっていた」のに、ミサトやレイ、加持やトウジ等と触れ合うことで次第に感情を吐露するようになり、レイに笑い方を教えたり、アスカの虚勢を見抜いて「もっと肩の力を抜いて生きたほうがいい」と助言をしたり、エヴァのパイロットに選ばれたトウジの不安を先輩として抱き止めたり・・・と、苦しみを感じつつも「そこから這い上がっていこうとする前向きさ」を終始感じられる点は特筆。

トウジの死後は一気に作品の雰囲気が落ち込んだが、母・ユイとの精神の触れ合いを経て物語りもいよいよ核心へと移行する。

だからこそ、ここからラストシーンへの展開はある意味「他のどんな漫画よりも重要」。

アニメ版は「賛否両論」であることを否定できない作品なので、漫画版はアニメの欠点を修正していくことでアニメ版から「正統」の地位を奪い取ることができるだろう。

そのときこそ「真のエヴァンゲリオンは漫画版だ!」と囁かれる日が到来しているに違いない。
ちょうど、劇場公開が再度行われアピールもしやすいはず!
作者の「遅筆」が欠点だが、今後は要注目の作品である。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-12-03 12:20:55] [修正:2013-08-18 20:22:31] [このレビューのURL]

8点 ITSUKIさん

作品の知名度についてはもう語るまでも無いのですが、自分はアニメ版・劇場版・その他の作品についてほとんど知りません。
この漫画版も最近一気に買って初めてちゃんと読みました。
(まぁ、超有名作なのでキャラクターと4巻くらいまでのおおまかな内容は流石に知ってましたけど)
ですので、他のメディアとの比較とかはできませんのであしからず。

15年という時間をかけて描かれている最新12巻までを一気に2日程で読んでしまったのはなんとも贅沢でした。

絵柄の魅力はホント凄いです。ぐっと惹きつけられる何かがあります。長期連載にもかかわらずデザインの古さを感じさせません。
アクションもロボット(というとファンに怒られそうですが)ものの中ではダントツの読みやすさと躍動感だと思います。

序盤からとにかく「謎」の多いストーリーもゆっくりとですが着実に明らかになってきています。12巻はストーリー的にはもうクライマックス間近なのでは。

長年考察が絶えない作品(主にアニメの方ですが)なので、もっと難解な内容なのかと思っていましたが、何言ってるのか訳がわからないという様な事はなく意外と王道でわかりやすく面白かったです。
やはり当時としてはこういった心理描写をする作品が画期的だったとかそういう事なのでしょうか・・・
漫画好きな方なら読んで後悔しない良作だと思います。

現在だともう一番気になるのは「どうやって終わるのか」。
そしてそれが何年後になるのか…ですね^^;

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-29 00:25:37] [修正:2010-11-29 00:25:37] [このレビューのURL]

8点 幻想さん

主人公がとても人間味がある。
主人公が不安になったり迷ったり苦しんだりしていて、自分と重なってしまうところもあり、魅力のある作品だと思う。
アニメなどは見ている人も、漫画はまた違うので見る価値はあると思う。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-07-24 13:06:11] [修正:2010-09-07 20:55:55] [このレビューのURL]

8点 ジブリ好き!さん

(最新12巻読了、漫画版の感想が主ですが、少し映像版も混ざっています)

レイにアスカ、ミサトにリツコといった魅力的な女性キャラの誰よりも、物語の鍵を握るゲンドウが固執し、主人公シンジが愛されたのは、母:ユイだった。
息子らしい扱いをしてもらえず、避けながらも、父に認められたいという思いももつシンジ。
光を与えてくれたユイを溺愛するがあまり、ユイの愛情を一身に受けたシンジを妬むゲンドウ。
それでもEVAと化したユイが(パイロットとして)選び、守ったのは、シンジだった…
このいびつな親子関係が自分にとって衝撃的で魅力的だったのが、エヴァンゲリオンだ。


この作品のそこかしこに出てくる愛の形。愛に満ち溢れた作品ともいえるかもしれないが、その愛は総じて歪んでいる。そして何より、報われないのだ。

アスカの「認められたい」という気持ちは、狂った母親から娘として見てもらえなかった過去から生まれたもの。加持を愛するも叶わず、(母親の化身である)EVA弐号機とのシンクロ率が下がり、更に使徒の精神攻撃で廃人と化す。それでも立ち直りA.T.フィールドが母親の愛の形であると悟るも、ロンギヌスの槍に貫かれて果てる。それは彼女が受けた母親からの愛の脆弱さを物語っているのかもしれない。アスカほど愛に飢えたキャラクターはいない。

レイはユイの代わりに作られたもの。シンジと距離を近づけるたび、戦いの中で死に「次のレイ」に代わってしまう。ゲンドウからの愛も、レイに対してではなくユイに対するもの。

ミサトはセカンドインパクトを通じて初めて父からの愛に気付く。その後の加持との愛が父を映していると思い別れるも、次第にヨリを戻しかけていく。しかし加持は死に、自身もシンジを庇って死ぬ。ミサトさえも、愛を実現することはできなかった。

リツコは母子そろってゲンドウにふりまわされる。利用されていると知りつつも、ゲンドウへの愛から凌辱さえ甘んじて受けるほど。「女としての自分はいらない」、「女としては母を憎んでいる」という言葉とは裏腹に、ゲンドウへの愛は強く、MAGIを母親として見ていたりもする。

他にもトウジと委員長など、男女愛、親子愛、いずれもねじれていながら人間臭くもある(カヲルの同性愛も)。現代的といえばそうかもしれないが、こうも救いがないというのも珍しい。


本編の内容は、エンターテイメントとしては言わずもがな、細かいところに聖書やキリスト教を絡ませているのが遊び心満載で、奥深さも醸し出している(カバラの樹やロンギヌス、死海文書やネルフの葉のロゴなど)。
ストーリーは難解だが、アニメ版や旧劇場版はエンターテイメント性を重視せざるを得ない商業事情があったと庵野監督は言っている。そのためアクションシーンや演出は素晴らしいが、心理や内容説明が甘い。
ここで漫画の出番。
漫画版はアニメ版とは逆にアクションシーンの盛り上がりは(映像より)欠けるものの、心理や内容が充実したため物語をより楽しめる。(結論的には、両方合わせて楽しむのがベストだけど)
漫画版のポイントはアニメや旧劇場版をどこまで掘り下げて見せていけるかにかかっている。とくに漫画版が旧劇場版に追いついた今が、アニメを越えれるか否かの別れどころだ。旧劇場版は内容的にはかなり敷居が高く、エンターテイメントとしては良くても、内容はカオスだという評価が多い。至る所に聖書やキリスト教の知識が絡むが、それだけで物語やテーマが完全に理解できるわけではなく、肝心の人類補完計画も情報が少ないため自分なりの解釈しかできない(それはそれで楽しめると思うけど)。


そんなわけで、漫画に期待するものはどうしても大きくなってしまうが、エヴァの楽しみは内容だけではない。例えば上で述べた人間ドラマだけでもかなりのクオリティをもっている。難解な本編を解説しろとやっきになるよりも、せっかく漫画版で心理描写が細かく描いてくれているのだから、そちらも存分に楽しもうではないか。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-05-04 19:39:08] [修正:2010-05-04 20:00:24] [このレビューのURL]

7点 十歩神拳さん

通常、アニメと漫画の2メディアで同時期に展開される作品(特にロボットアニメに多い)は、ダイナミックシリーズ等の例外はあるものの基本的にはあくまでアニメ版が原作であり、漫画版は適当な漫画家に執筆させる場合が多いです。

そのため、漫画版はアニメ版と比べ絵が全く違ったり、ストーリーや登場人物も大きく異なってしまう事が多くなるため、熱心なファンからは稀にオリジナルであるアニメ版と比較され、同人誌と大差ないような扱いを受けてしまうことさえありました。

しかし本作の作者である貞本義行は、自身がアニメ版「エヴァンゲリオン」制作群の中核としてキャラクターデザインを手がけているため、漫画版もアニメ版と同格の一つの「オリジナル」としての地位を確立しています。



本作は他のメディアミックス作品と異なり、アニメ版のイメージとかけ離れないように基本的にはアニメ版と同じプロットで物語は進行します。
しかしアニメ版と大きく異なる点は、シンジの視点を多く取り入れている点です。また、他のキャラクターの内面の描写もアニメ版と比較して随分多くなっている点が漫画版の特徴と言えるでしょう。

そのためアニメ版よりは戦闘シーンの比重が少なくなり、淡々とした印象は受けるものの、逆にアニメ版で妙なところばかりくどく強調された割には細かいところまでフォローされなかった心理描写は充実し、キャラクターの言動、行動が理解しやすく違和感が少なくなっています。


多分貞本先生は、ゆっくり時間をかけられる分アニメ版で少し乱暴だった部分を丁寧に補完しているのではないでしょうか。

「エヴァンゲリオン」はアニメ版と漫画版が相互に足りない部分を補完し合って初めて完成する物語だと思います。



ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-04-09 12:09:45] [修正:2010-04-09 12:11:48] [このレビューのURL]

PR


新世紀エヴァンゲリオンと同じ作者の漫画

該当なし

貞本義行の情報をもっと見る

同年代の漫画

該当なし

ヤングエースの情報をもっと見る